週末の冒険(水族館編)と、『あたごの浦』
さかなスキー
とつぜんですが、海の生き物が好きです。
サカナとかウツボとかトドとか。
海の生き物って、自分の想像を越える感じが強くないですか。
何でこんな格好してるんだろう? 的な面白さ。
動物園より水族館派。
水族館ガールは観てません(録画はした)。
ということで、梅雨入り前のよく晴れた日に、一番近い水族館へ行ってきました。
葛西臨海公園駅に降り立つ。
どーん。
地面からの噴水だー。
葛西臨海水族園
今回訪れた水族館(水族園)は、こちら。
マグロ水槽で有名な水族園です。
一時期、大変そうでしたね。
巨大水槽ではマグロやカツオが何事もなかったかのように泳いでいました。
おいしそう…。
ということで、水槽を見て回る。
さめにかぶりつき。
あの、そろそろ次へ行きませんか…。
ペンギンもいるでよ。
このように、あちこちじっくり見て回っておりました。
いろんな見た目の生き物が次々と出てくるので、すっかり夢中な感じです。
やっぱり、海の生き物は面白いよねぇ。
堪能して、帰りました。
お父さんはちょっとつかれたな…。
その後、そういえば魚の絵本は持ってないなーと思い、以下の本を買ってみました。
『あたごの浦』
讃岐のおはなしらしいです。
月のきれいな晩に、さかなたちが陸に上がって大騒ぎする話。
さわぎ方が、どことなくトボけた感じで面白いです。
タコがなすびをむしゃむしゃ食べたり。
…食べないよね…?
中盤から、かくし芸大会が始まるのですが、それもまたヘン。
鯛が木にのぼり、月明かりでキラキラ輝いて、「松にお日さん」とか。
しかも周りがそれを、「妙々々々々々」と言って、はやしたてる。
ヘンなかけ声だなー!
という感じで、終始、不思議な空気が流れているお話です。
文章も訛っていて、それがまたトボけた感じになっている。
息子もちょっと戸惑い気味でしたが、とりあえず、「おタコがおナスビ食べてるねー」などと、興味ぶかそうに絵本を眺めていました。
まあ、海の生き物は不思議なんだ、息子よ。
おわりに
さかなを扱った絵本って、何か不思議な作品が多いような気がするんですよね。
『ごろごろにゃーん』とか。
…さかなの本か…?
ともかく、海の生き物の規格外な感じが、想像力をかき立てられるのかもしれません。
今度は、ジンベエザメを見に、美ら海水族館(沖縄)にでも行きたいねぇ。
おしまい。
筒井康隆の10作 - 読書記録 2016年5月
2016年5月の読書記録と、本に関する与太話です。
本の雑誌「この作家この10冊」
定期購読している「本の雑誌」に、「この作家この10冊」という連載企画があります。
人気作家を採り上げて、初めて読むならここからって感じで10作品を選んでいくもの。
毎回、執筆者が異なっていて、それぞれの作家に思い入れのある人(有名無名問わず)が書いている感じです。
本にもまとまっていますね。
それぞれの作品をみっちり語っているわけではないので、全体の作風を感じ取るような内容です。
Amazon レビューではそこが酷評されているようですが、作家評だからそれでいいと思いますよ…。
私は、名前だけ知っていて読んでみたいけど…という作家が山ほどいるので、いつも参考にさせてもらっています。
筒井康隆の10作
そして今回(2016年6月号)は、筒井康隆でした(ついに)。
執筆者は、大森望でした。
初心者に目配りしつつ、ツツイストの琴線にも触れるような、さすがの内容でした。
というのに触発されたわけではありませんが、自分なりに選ぶなら何かなーとつらつら考えてみたので、以下に挙げてみます。
「最後の伝令」は、肝硬変末期の男性の細胞が体内を旅する短篇。死が迫る中での焦燥感や不安、諦めといったものがなんとも言いようのない雰囲気を醸しだしていて最高です。尚、この短篇集(『最後の伝令』)には、「死」を想起させる作品が多いです。「二度死んだ少年の記録」とかも問題作。
「経理課長の放送」は、ストライキが起きたラジオ局で、役員が生放送をすることになり、ドタバタする短篇。まさに筒井御大の得意な形です。課長のセリフしか出てこないところが、面白いんですよねぇ(トラブル自体を描写せずに、あとからコメントだけでフォローさせるところが、笑いを増幅させるのであります)。
「関節話法」は、間接話法じゃありません。これで合ってる。関節をポキポキ鳴らして会話をする異星人とのドタバタ短篇。これは朗読会で笑いすぎてお腹が痛くなるくらいハマった、ので挙げました。やっぱり御大のドタバタはすごいです。
「残像に口紅を」は、一章ごとに使える五十音が一文字ずつ消えていき、世界も消えていく、という実験的小説。最後はすごいです。実験的小説といえば「虚人たち」も有名ですが、あちらは私にはちと難しすぎました…。
「朝のガスパール」は、新聞連載の特性を活かして、投稿やパソコン通信でのやり取りを物語に反映させた小説。反映させると言いつつ、読者の批判に対して作者が出てきて罵倒したりと、無茶苦茶で大変面白いです。
「虚航船団」は、超大作。狂った文房具の宇宙船団と、人類の歴史をなぞるように発展してきたイタチ。そして、イタチの惑星に文房具が来襲する…。オールタイム・ベストな作品です。また読み返したくなってきた。
「敵」は、老人小説。老人のひとり暮らしを淡々と描く前半と、ボケてくる後半。特に前半が無性に好きです。なんで老人の便通の話を延々と読まされているだけなのに、こんなに面白いんだろう? と思いながら読んでました。
「ダンシング・ヴァニティ」は、場面が反復しながら物語が少しずつズレていくという実験的小説。というか、押井守なのかこれは。だから好きなのか私は。
「笑犬樓よりの眺望」は、エッセイ集。初出は「噂の眞相」だったんですね。罵倒とか罵倒とか罵倒とか、露悪的であり、一方で深い視点もありで、大変面白いです。断筆宣言も出てきます。
「漂流 本から本へ」は、若かりし頃の読書遍歴を語るエッセイ。別に詳しく紹介されているわけではないのですが、本書に採り上げられている作品はやたらと読みたくなります…。
以上です。
挙げてみて、結構、最近の作品が多い気がしました。
生涯現役!
読書記録 2016年5月
2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:4150ページ
ナイス数:60ナイス
町田ほろ酔いめし浪漫 人生の味 (ニチブンコミックス)の感想
町田で呑む中年男ふたりを描いただけの作品。町田はよく知りませんが、鈴木マサカズなので読んでみた。「ブルードッグ・ブルース」でわかっていたことですが(単行本化されないんですかねぇ)、ぼんくらなおっさんふたりのやり取りがひどいです。面白い…かどうかは微妙ですが、なぜか読んでしまうんですよねぇ。なんか酒が呑みたくなってきた…。特に町田に行きたくはならない。良かったです、たぶん。
読了日:5月1日 著者:鈴木マサカズ
FinTech 2.0ー金融とITの関係がビジネスを変える
読了日:5月2日 著者:楠真
日経SYSTEMS 2016年5月号
読了日:5月6日 著者:
マネーフットボール 3 (芳文社コミックス)の感想
ロングスロー合戦の様相を呈してきた3巻。今回はトリックプレーとか、オフサイドトラップとか、セットプレーからのカウンターとか、ひとつひとつのプレー理論が大変面白かったです。交代時間の法則とか、監督交代ブーストへの言及等もありますし、ホントに読み応えがある。一試合一試合がコンパクトにまとまっていて、さくさく読めるのもいい感じ。千葉の進撃の巨人FWとか、らも監督解任しちゃダメだろとか、小ネタも笑えます。このマンガが面白すぎて、最近、J2のことを調べ始めている自分がいます…。
読了日:5月6日 著者:能田達規
恋愛の神様 (ニチブンコミックス)の感想
恋愛マンガとか普段読まないのですが、鈴木マサカズなので読んでみた。自分だけに見える恋愛の神様との問答がトボけた感じで面白いです(まさに鈴木マサカズ節って感じ)。内容自体は、恋愛が始まった「あと」からの話なので、リアルで生々しくはありました。どちらかというと、もう少し前のところでもがき苦しむと思うけど…。逆にいうと、付き合い始めてからの展開は、だいたいみんな同じなのかなーと思ったり(だからこそ成り立つあるあるマンガ、という感じ)。
読了日:5月8日 著者:鈴木マサカズ
サルぽんち (ビームコミックス)の感想
群れを抜け出して旅をするサルが現実の厳しさを味わいつつ生きていく話。単にサル社会の出来事とは思えない(思わせない)、シビアな現実をこれでもかと突き付ける作品です。このクソみたいな閉塞感と、主人公ふたりを含めたボンクラな掛け合いが一服の清涼剤みたいになって(しまって)いるところも含めて、鈴木マサカズ節が全開って感じ。彼の原点と言ってよいのではないかと思います。
読了日:5月9日 著者:鈴木マサカズ
月刊コミックビーム 2016年 2月号[雑誌]
読了日:5月10日 著者:
短篇小説講義 (岩波新書)の感想
岩波の古典から有名作家の短篇をひとつずつ読み解く。作家の視点(別作でいうところの、「感情移入批評」)で分析しているのがけっこう新鮮。作品が書かれた時代背景とか、他作品との比較分析とか、いわゆる評論家目線ではなく、個々の作品をひたすら掘り下げる、作家目線とでも言うべきやり方。芋づる式に読みたくなるということはないですが、対象の短篇自体を猛烈に読みたくなります。あと、演劇的な視点が入っているのも御大らしいです。
読了日:5月10日 著者:筒井康隆
オリュンポスの神々―マンガ・ギリシア神話〈1〉 (中公文庫)の感想
改めて通読すべく、一巻から再読。やっぱりゼウスがいろいろとひどかった。あと、近親相姦おおすぎ。
読了日:5月10日 著者:里中満智子
マンガギリシア神話 (2) (中公文庫)の感想
引き続き、ゼウスが種をまき散らし、ヘラはそれに嫉妬する話。もうだいたいこの夫婦がすべての原因なんじゃないだろうか。お互いの正当化(開き直り)がひどい。デュオニソスの話とかひどすぎる。大変面白いです。他、イオ(イーオー)の話が興味深かった。エジプト神話はいいのかこれで。
読了日:5月12日 著者:里中満智子
きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)の感想
一人の作家を起点にして、地域や時代を超えておススメ作家・作品を連想していく鼎談本。何より、テーマを軸におススメ作品を連想していく、という手法自体が素晴らしい。あとがきにあるように、「読んで楽しいブックガイド」というのはその通りかと思いました。春樹、谷崎、太宰あたりは特に面白かった。ジャンルをある程度深掘りしていると、ちょっと物足りないところもあるかもしれません(コナン・ドイルからの連想/展開はそんな感じ)が、総じて楽しそうだしこっちも楽しくなれるので、よいと思います。読みたい本の増えること増えること…。
読了日:5月12日 著者:都甲幸治,武田将明,藤井光,藤野可織,朝吹真理子,和田忠彦,石井千湖,阿部賢一,岡和田晃,江南亜美子
隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)の感想
Amazon プライムで。伝説のウィザードリィ小説が Kindle 化されてたので読めた。イラストすら存在しないキャラに生命を吹き込み、独自解釈による設定・物語をこれでもかとつぎ込みつつ、なおかつ、ゲームの雰囲気や世界観はいささかも損なわれない(ダークで殺伐とした雰囲気に加えて、ゲームの小ネタも満載)という、最高級の二次創作(ノベライズ)でした。そこはかとなく既視感が強いのは、以降の作品への影響がいかに強かったかということの証左でありましょう。続編も読みたい。
読了日:5月17日 著者:ベニー松山
リバースエッジ 大川端探偵社(7) (ニチブンコミックス)の感想
今回は、調査結果を偽って報告する話が多かった気がします。といっても、以前から何が真実かわからないような幻想的な終わり方をするので(そこがまた魅力なので)、二重の真実っていうのは面白さが増幅します。思いっきり年輪を重ねた人々が、それぞれの思いを抱きながら人生に七転八倒する、泥臭い感じがいいですね。まさに人生模様って感じ。
読了日:5月18日 著者:ひじかた憂峰
本の雑誌396号の感想
本の読み方特集。お風呂で読書は、防水タブレット&電子書籍で解決するのがいいんじゃないかなーと思いますが、私自身はお風呂読書はしないのでわからん。また、貸した本の扱いに期待してはいけません(私自身が借りた本をぞんざいに扱うというわけではありません、断じてありませんぞ)。あと、筒井康隆の10作は自分でも選んでみたくなりますな! 最後に、「吉野朔実劇場」が何事もなかったかのように掲載されていて嬉し悲し。
読了日:5月19日 著者:
マンガギリシア神話 (3) (中公文庫)の感想
有名な悲劇がたくさん。神々に翻弄される人間という感じの話が多い印象ですが、生死に振り回される人間と、神々のそれとは価値観が違うのだろうなと思います。その辺が悲劇を生み、星座が生まれる、みたいな。オルフェウスの冥界への冒険と、狂気をまとうデュオニソスの話が面白かった。そのふたつのエピソードが、悲しく重なり合うところとか…。あと、巻末の古事記との類似性に関する考察は、引き続き興味深いです。次巻以降も期待です。
読了日:5月21日 著者:里中満智子
読書について 他二篇 (岩波文庫)の感想
読んで考えて書く、という三篇。多読を慎み、古典を読み、内容を咀嚼し、自分の考えを確りと作り、きっちりとした文章で書く。当たり前だけど中々できないこと(特に自分で「思索」するところ)を語っています。短いのでさらっと読める(一番長い、「著作と文体」は、ドイツ語の指摘等で直接関係無いところも多いので、飛ばし読み…)。古典とか、思索とか、言いたいことはわかります。できるかどうかは別ですが…。まあたまには背筋を正して、本を読み、考えたいと思います。
読了日:5月24日 著者:ショウペンハウエル
日経SYSTEMS 2013年5月号
読了日:5月26日 著者:
三国志F 2巻
読了日:5月26日 著者:一智和智
読書メーター
週末の冒険(イチゴ編)と、『いちごばたけのちいさなおばあさん』
イチゴ狩り
先日、実家にて。
イチゴを採取いたしました。
小さいけど、普通に食べられます。
味はけっこうすっぱいけど、まあ野生の味ってことで…。
息子も、すっぱいすっぱい言いながら、よく食べていました。
ちなみにわが家でも、栽培しています。
イチゴ、けっこう今の時期でも採れるんですね。
本来(露地栽培)の旬は、4月~6月くらいらしい。
冬~初春くらいしか採れないと思っていたので、意外でした。
ハウス栽培だからこの時期なんですねぇ。
イチゴって高級果物のイメージがありますが、本来はけっこう身近な食べ物なのかなーと思いました。
もちろん、形や味にこだわらなければ、ですけど…。
今回は、そんなイチゴの絵本。
『いちごばたけのちいさなおばあさん』
イチゴ畑の地下に住んでいて、春が来るとイチゴの実を赤い色に染めるのがお仕事である、おばあさんの話です。
ストーリーは、冬なのに暖かい日が続いてイチゴの実がなる時期が早まってしまいさあたいへん! という感じ。
イチゴを赤く塗る小さなおばあさんとは、なかなか奇抜な設定です。
色を準備する手順もなかなか手が込んでいて、ヘンにリアリティがあります。
実際、これを読み聞かせたあとでイチゴを見せたら、「イチゴ、おばあちゃんが赤くしてくれたね」とか言ってました。
いいね。
イチゴといえば、こんな絵本も持っていたので、あわせて紹介します。
『ポットくんとイチゴぐみ』
福音館書店「かがくのとも」シリーズで、昨年刊行されたもの。
なぜ、2才の子どもしかいない家庭に、「5才~6才向き」の絵本があるのかは秘密。
最近になって、何とか読み聞かせできるようになってきました。
物語は、イチゴを増やすために、植木鉢のポットくんが奮闘する話です。
イチゴはランナー(つる)が伸びてくるので、そのランナー部分を切り離して別苗として育てていくことができるようです。
伸びてきたイチゴのもとを、別の入れ物にいれて育てると、またそこから花が咲いて実がなるのです。
という感じで、正確な事実にもとづいた絵本です。
さすが「かがくのとも」だね! と思いました。
わが家のイチゴも成長してきたら、やってみましょうかねぇ。
おしまい。