マンガ図書館Z de TRPG - 読書記録 2016年7月
2016年7月の読書記録と、本に関する与太話です。
粋なゲーマー養成講座
TRPG デザイナー、朱鷺田祐介氏のブログで、『粋なゲーマー養成講座』が、マンガ図書館Zにて公開されたことを知る。
マンガ図書館Zって、存在は知ってたのですが、マンガだけじゃないんですね…(今更)。
懐かしさを覚えつつ、パラパラと読んでみる。
PC だとちょっと見づらいですね…(画質が…)、ともかく。
本書は、TRPG あるあるを通じて、TRPG ゲーマーに送る指南書、とでも言うべき内容。
当時も面白かったですが、今読むと、TRPG の本質的な楽しさについて、あらためて考えさせられます。
先日読んだ、小太刀右京著『なぜなに未来侵略 テーブルトークRPG編』につながる要素もあるのではないかと思いました。
なぜなに未来侵略 テーブルトークRPG編 (RoleRoll Books)
- 作者: 小太刀右京,鈴吹太郎,F.E.A.R.,すがのたすく
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2016/03/05
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
マンガ図書館Z de TRPG
これをきっかけに、マンガ図書館Zで公開されている、TRPG関連書籍を調べてみた。
システム別にまとめると、こんな感じ。
今から各システム自体を遊ぼうとは思いませんが(ただし、「りゅうたま」は今でも十二分に楽しめると思う)、シナリオやチャート類などは使えるかもなーと思いました。
あと、「粋な~」で思い出したのですが、ログアウトテーブルトークRPGシリーズ、ここで復活しませんかねぇ。
『鋼鉄の虹』とか、『アドバンスト・ウィザードリィ』とか、『白狼伝』とか、『ジェイド・キングダム』とか…(後ろ2つはそもそも出てないぞ!)。
あと、『おこんないでね』もぜひお願いします!
おしまい。
読書記録 2016年7月
2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:2874ページ
ナイス数:40ナイス
あなたの知らないところでソフトウェアは何をしているのか? ―映画やゲームのグラフィックス、データ検索、暗号化、セキュリティー、データ圧縮、ルート探索……華やかな技術の裏でソフトウェアがしていることの感想
暗号化やパスワード、CG やデータ検索技術など、当然のこととして受け入れている技術の裏でソフトウェアがやっていることを解説するエッセイ。前半の暗号化~パスワード~Webセキュリティーの流れはみっちり解説していて、分かりやすくはありませんが(これ以上どうやって分かりやすくするのか、という話はさておき…)、全体的なイメージはつかめるし、理解は深まります。後半のグラフィックスの話などは、ざっくりと解説していていささかあっさり気味(これ以上詳しくなったら着いていけるか、という話はさておき…)。
読了日:7月1日 著者:V.AntonSpraul
本の雑誌397号の感想
子どもの本特集。絵本よりも児童書寄りなのは、小説に重きを置く本の雑誌らしい特集ではないでしょうか。といいつつ、福音館書店探訪は興奮した。子どものこともあってすっかり絵本にハマっている私ですが、子どもの成長とともに、児童書にシフトしてハマっていくんだろうなと思います。あと、「鹿島出版会」の存在が興味深かった。八重洲ブックセンターはトーハンに株式譲渡されてしまいましたが…。他、青山南のコラムで、アメリカのコンマリブレイク事情が面白かったです。ときめきは「spark joy」なのか!
読了日:7月4日 著者:
決定版 FinTech
読了日:7月7日 著者:加藤洋輝,桜井駿
まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法の感想
取次を介さず、書店に注文冊数を即日出荷する、「直」方式の出版流通に関する本。私のような業界外の人間から見ると、至極まっとうなことをやっているように思えますが、これまでやってきたことを変えるというのは、それが長く定着していた場合、これほどに難しいことなのかと、いささか重い気分になる。いっぽうで、本書の主役であるトランスビューの工藤さんの、「神は細部に宿る」感はとても清々しい。ブレることのない全体のビジョンを持ちつつ、かつ、細かいところでカイゼンを繰り返していくという、バランス感覚が素晴らしいと思いました。
読了日:7月7日 著者:石橋毅史
街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。の感想
元恵文社一乗寺店の店長(現誠光社店長)の堀部氏による、書店・地域紹介本。恵文社という個性派書店のみならず、その周辺の個人店も含めて、ひとつの文化として街が形作られていく、という考え方が素晴らしいと思います。私の住む街にも、似たもの同士な個人商店が集まって、ちょっと不思議な空気が流れている地域があるのですが、そういうところに、ぽこっと個性的な書店があるといいなーと、妄想いたしました。とりあえず、恵文社とその周辺、行ってみたいです(誠光社も!)。
読了日:7月8日 著者:堀部篤史
グランクレスト戦記 (7) ふたつの道 (ファンタジア文庫)の感想
ミルザー戦。めまぐるしく変化していく戦局に大興奮ですよ。それにしても、レガリア、ハマーン、キルヒスといった、いわゆる泡沫君主が(失礼)、いろんな意味で大活躍するとは。戦の中にも、様々な価値観を提示してみせる面白さ。やはり水野先生、おそるべし。いろいろと一段落して、次巻以降はちょっと違った展開になるのかなーと、楽しみであります。
読了日:7月9日 著者:水野良
月刊コミックビーム 2016年 3月号[雑誌]
読了日:7月12日 著者:
ぼくの道具の感想
冒険写真家、石川直樹の旅道具エッセイ。私は登山はしませんが、それでもいい感じの道具がたくさん出てきて、うれしいやら困るやら。ソレルのスノーブーツ、ダナーライトの靴、グレゴリーのバックパック…。高城剛『LIFE PACKING』に並ぶ、道具本の傑作。また、極地のトイレ事情に関する話も面白かったです。ナルジンボトルに…とか。「尻を拭くものがない場所と、人間が生きていけない場所は、完全に重なると思うのだ。人間は尻を拭かないと生きていけない動物で、それに使用するものがない場所には暮らしが根付かない。」名言!
読了日:7月14日 著者:石川直樹
アマデウスリプレイ 神候補たちと冥王の剣 (2) (ドラゴンブック)の感想
齋藤さんの半笑いリプレイ第2弾。黒いリプレイですね、いろんな意味で。前半はネタがネタを呼ぶネタリプレイで面白かった。後半はまさかのラストにびっくり。でもアマデウスのバランスならあり得ますよね…。水を得た魚のようにイキイキする齋藤さんにニヤニヤしつつ、今後の展開が気になります。ハイライトはやっぱり、トロフィーかな。あと、欄外の【バァ】【カァ】推しがちょっとしつこいですよ、バカー!
読了日:7月19日 著者:齋藤高吉/冒険企画局
仕事は楽しいかね? 2の感想
上司・部下、管理職やチームの話。1巻は自分の内側に向けるための自己啓発、2巻は自分の外側に向けるための自己啓発という感じで、今巻の方が事例紹介としては具体的で面白かったです。やっぱり優秀な部下って、待っててもやって来ないですよね…、あと自分が魅力的な上司にならないと来てくれないですよね…、ということに、改めて気付かされるのでした。仕事の同志かー。具体的な事例が日本の雇用形態には当てはまりにくいところもありますが、それでも参考になるところはありまする。
読了日:7月22日 著者:デイル・ドーテン
おざなりダンジョン 1巻の感想
30年近く前の作品。ダンジョン/ファンタジーマンガの草分け的存在らしい。ハチャメチャで強すぎる女戦士、慎重でスゴ腕な盗賊、何もしないけど妙なところで活躍する魔法使いの3人組が繰り広げる珍道中って感じ。ドタバタしているうちにあっという間に読み終わってしまった。続きも読んでみる。
読了日:7月23日 著者:こやま基夫
日経SYSTEMS2016年07月号
読了日:7月26日 著者:日経BP社
世界を変えるデザイン――ものづくりには夢があるの感想
世界の人口の90%(貧困)に届ける、生活の基本的なニーズに即した、問題解決としてのデザインについての本。シンプルに考え抜かれており、かつ、ビジネスとして成立する製品をデザインする、という考え方に基づいた事例がいくつも紹介されていて、これがまさにソーシャル・ビジネスではないか、と思った。2007年刊なので事例自体は古いものもありますが(知らなかったことが恥ずかしい…)、基本的な考え方は今も変わっていないのであります。ということで、次巻へ続く。
読了日:7月27日 著者:シンシアスミス
トロイの木馬―マンガ・ギリシア神話〈7〉 (中公文庫)の感想
トロイア戦争編。増えすぎた人口を減らすためにゼウスが仕組んだ戦争…。それにしても、(表面的には)ひとりの女性をめぐって10年も戦争が続く構図って、相変わらず女性を貶めている視点を感じますね…。トロイの木馬のエピソードは普通に面白かったです。わかるだろこれ。他、戦争後のアガメムノーンの子どもたちのエピソードにはめずらしくほっこりした。たまにはいい話もあるんですね…。
読了日:7月28日 著者:里中満智子
読書メーター
Tim Hecker, Stimming - Linus 定期便 2016年6月
はじめに
2016年6月の Linus 定期便報告です。
もう7月下旬じゃないか。
先月は2枚です、でした。
その前に、5月に感想を書いた、Andy Stott - Too Many Voices について。
こちらの作品ですが、過去作のファンの人からはあまり評判が良くないって、Linus 店主さんからのフィードバックがありました。
私は好きでしたが、作風がちょっと変わったので、わからなくもない。
Linus 定期便は、こういうふうに感想をフィードバックしながら、セレクトを微調整しつつやっています。
私は、直球なアンビエントや、メルヘン風エレクトロニカは避けてもらっている。
そんな感じで、ひとりひとりに対して調整しつつやっているので、大変かと思います…。
キュレーションも楽じゃない。
Tim Hecker - Love Streams (2016)
カナダの Tim Hecker さんによる8枚目。
荘厳かつ実験的なノイズアンビエント。
カットアップされたノイズや種々のエレクトロニックサウンドで構成された楽曲群。
これらに、生音や聖歌隊の歌声を大々的に取り入れているのが印象的です。
特に歌声の効果は絶大で、やたらと攻撃的で実験的な曲なのに、なぜか荘厳さをも感じさせるという、不思議な感覚。
この、ふわふわとしてとらえどころのない感覚こそが、狙い所って感じがします。
通して何回も聞き流すこともできるし、ひとつひとつ立ち止まってじっくり聴くこともできる。
非常に興味深い作品でした。
とてもよいです。
LINUS RECORDS/Tim Hecker : Love Streams [CD]
Stimming - Alpe Lusia (2016)
ドイツの Martin Stimming さんによる4枚目。
メロディックなミニマルハウス。
非常に洗練された軽やかなビートの上を、美しいフレーズが流れます。
はい、私好みな感じです、いつもありがとうございます。
かなりメロディックな曲が多くて、なんか映画やアニメの音楽のようでもあります。
いっぽうで、アルバム通して聴くと、けっこう面白い曲もちらほらあって、通しで聴いても飽きさせません。
フロアとホームの間を、うまいこと行ったり来たりしている作品だと思いました。
とてもよいです。
LINUS RECORDS/Stimming : Alpe Lusia [CD]
おしまい。
一万円握りしめてジュンク堂へ - 読書記録 2016年6月
2016年6月の読書記録と、本に関する与太話です。
本の雑誌「図書カード三万円使い放題!」
定期購読している「本の雑誌」に、「図書カード三万円使い放題!」という企画があります(不定期連載)。
検索してみて初めて知りましたが、図書カード会社と提携してたんですね。
そりゃそうか。
今年の6月にできた新しい図書カード(図書カードNEXT)って、期限がついた(10年)んですねぇ。
閑話休題。
書店をめぐって、思うがままに本を買い漁る、という企画です。
いいなーいいなー。
読むたびに物欲が刺激されてしまって、うおおおってなるのです。
ということで、私も書店を訪れ、思うがままに本を買うことにしました。
といっても自腹なので、上限は1万円です。
自腹です。
場所は、まとめ買いの聖地(ホントか?)、池袋ジュンク堂にしました。
尚、家庭の事情により、確保できた時間は1時間ちょっと。
かなり駆け足になってしまいました。
ホントは1日中いても、回りきれないと思います…。
一万円使い放題!
ということで、ジュンク堂へ。
(画像は wikipedia より)
いつ来てもデカい。
このお店は、1階集中レジ方式です。
地下1階、地上9階の巨大なビルに本が目一杯並んでいて、レジは1階にずらーっと並んでいる。
ある日、この方式になった時は、興奮しましたね…。
入り口でカゴを手に取り、まずは最上階まで上ります。
上階から下階へと棚を回りながら、ほしい本をカゴに放り込んでいくという買い物スタイル。
これやると、いろいろと大変なことになるのですが、今日はいいの!
IT系のコーナーへ行き、新刊を確認。
まあお仕事関連です。
ふだんは目もくれないのですが(いいのか?)、こういうところに来ると、つい難しそうな本も手にとってしまうのです。
以下を購入。
- ブロックチェーンの衝撃 3,024円
- あなたの知らないところでソフトウェアは何をしているのか? 2,808円
前者は、最近流行りのヤツです。
余談ですが、表紙の日本語フォントがイケてない…。
後者は、パラ見した感じ、入門書っぽかったので買ってみた。
暗号技術とか、ふだんから使っているのによく知らないし…。
他にも、『SOFT SKILLS』とか、面白そうな読み物はありましたが、いきなり予算を半分も使ってしまっているので、ガマン。
次に、子育て本コーナーへ。
前から気になっていた本(『幼児教育の経済学』)などに惹かれつつも、以下を手にとる。
- 保育のグランドデザインを描く 2,592円
いろんな保育園の園長さんが保育について語る専門書、みたいなヤツです。
園長さんの対談者である汐見さんは、テレビ「すくすく子育て」などでお世話になっております(わが家では汐じいと呼んでおります)
さっきも同じことを書きましたが、こういうところに来ると、つい難しそうな本も手にとってしまうんですよねぇ。
帰って妻に見せたら、「お前は何を目指しているんだ?」と言われました。
私もよくわからん。
山の本コーナーへ。
- ぼくの道具 1,620円
冒険写真家、石川直樹の道具エッセイ。
前から欲しかったやつです。
立ち読みしていたら、道具写真も素敵だったので買うことにしました。
やっぱりこういう本は、立ち読みなどで中を見てみないとわからないですねぇ(ネット書店じゃ買えない)。
もう1万円超えてますが、最後に文庫コーナーへ。
- 山之口貘詩集 691円
最近出た、岩波文庫版です。
茨木のり子の文集を読んで、山之口貘に興味を持ったので買いました。
あと、新潮選書のカタログ(ベストセレクション2016)だけいただきました。
『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』とか、気になるモノがけっこうありましたが、ガマン。
これからは、選書の時代なんじゃないかなーと思います。
本でじっくり読む、というのは、新書よりも選書くらいがしっくりくる感じ。
しめて、10,735円。
1万円以上買うと、書店内カフェのコーヒー無料券がもらえるので、ちょっとだけ一服してから帰りました。
完全に一日つぶれますね…。
正直、一時間一万円じゃ足りないなぁ…。
またやりたいと思います(いろいろ気にしながら…ですが)。
おしまい。
読書記録 2016年6月
2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3004ページ
ナイス数:49ナイス
中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来 (新潮選書)の感想
中央銀行による金融政策の限界(将来の先食いだから低成長時代には向かないよ、格差解消も出来ないよ、とか)と、ビットコイン(仮想通貨)の台頭(技術的な解説が、とてもわかりやすい!)について言及しつつ、貨幣の新たな可能性について論じた本。上記のふたつを結びつけることで、「マイナス金利付きデジタル通貨」の誕生を予測する話が大変面白かったです。タイトルほど扇情的な内容ではないのですが、一方で、非常に大きな変化について考察しているので、ある意味タイトル以上に大きなインパクトがありました。
読了日:6月7日 著者:岩村充
古事記ゆる神様100図鑑の感想
タイトルどおり、古事記(+α)の神様をゆる~く紹介。前半はエピソード。後半は神様紹介114連発。わかりやすく可愛くまとまっていますが、どれも名前が似ていて、覚えるのは無理気味。カタカナより漢字の方が覚えやすくないかしら…。ともかく、ゆる絵と、古事記の混沌とした世界観がうまくマッチしていると思いました。日本神話の取っかかりにはとても良い本だと思います。
読了日:6月8日 著者:松尾たいこ
マンガギリシア神話 (4) 悲劇の王オイディプス (中公文庫)の感想
みんなが知ってるオイディプスの話。逃れられない運命的な話が切ない。いわゆる「エディプスコンプレックス」とは違いますよね、この話…。なぜ彼の名前が採用されてしまっているのか(ウラヌス~クロノス~ゼウスの方がよっぽど…)。この話も含めて、呪われた国テバイの悲劇っぷりがひどい。呪いの言葉に縛られてしまう、人の弱さよ。悲劇の種を育てるのは、人の心そのものっていうのは確かにそうなんですが、それにしてもね…。
読了日:6月9日 著者:里中満智子
女騎士、経理になる。 (1) (バーズコミックス)の感想
ファンタジー×経理。アイデア賞モノという感じですが、一発ネタに終わらず、いろいろ世界設定が面白いです。経理全般について、わかりやすく丁寧に教えていることもあってか、ちょっと物語本編の展開がゆっくりすぎる気がしますが、結局、次巻も読まざるを得ない感じになってしまったので、複雑なきもち。まあ、おまけの勇者編の方がインパクトがあって面白いですけどね…。あれって相続税だったのか!
読了日:6月12日 著者:三ツ矢彰Rootport(原著)
girls ZINE ―女子のためのジン案内の感想
女性向け同人誌/ミニコミ誌本(not 腐)。多数の ZINE を紹介。アートとか暮らしとか。女性向けといいつつ、私でも気になる同人誌がいくつかありました(「歩きながら考える」、「暗光」)。タコシェに定期的に行く私には、こういう本は沼である。2010年の本ですが、今も続いてる ZINE はどれくらいあるんだろうか。作るのもそうですが、続けるのが大変だろうなぁと思います(ある意味、やめるのも自由ですし)。
読了日:6月12日 著者:
茨木のり子集 言の葉Ⅰ(全3巻) (ちくま文庫)の感想
詩集『おんなのことば』が良かったので続けて読みました。詩や散文を収録。戦時中に青春時代を送った筆者の、強く鋭くも儚い言葉がぐっと刺さります。ひとつの詩の中で、視点や意味が何回もぐるぐる廻る感じが、感受性を揺さぶる。良かったです。散文は、同人誌「櫂」について回想しつつ、同時代の詩人との交流を描いた「櫂」小史と、山之口貘について語ったエッセイが面白かったです。特に後者は、山之口貘の詩も読んでみたくなりました。
読了日:6月13日 著者:茨木のり子
マンガ ギリシア神話〈5〉英雄ヘラクレス (中公文庫)の感想
みんなが知ってるヘラクレスの話。「ヘラの栄光」=「ヘラクレス」なんですね。ということは、『ヘラクレスの栄光』というゲームは、頭痛が痛い的なタイトルなのか…? ともかく、十二の功業に加えて、それ以外にも様々な冒険がてんこ盛りで面白かった。ちょっと女性や子どもがヒドい目に遭う話が多いのと、ヘラクレス自身の間抜けさ(いかにも英雄っぽいといえばそんな感じ)が気になりますが…。あと、ペルセウスの英雄譚(メデューサ殺し)も掲載。名前だけ知ってる人物が、エピソードとともにつながっていく感じが楽しかったです。
読了日:6月16日 著者:里中満智子
ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来 出版社・書店・取次のリアルの感想
「出版の未来」。全体的に各方面に目配りの効いた記事群。出版と書店はよく言われているところですが、昨今は、「取次」が大きな話題ではないかと(老舗取次の破綻が大きな契機か)。単純な中抜きや犯人探しという話ではなく、業界構造そのものに対する問題なのでありましょう。そして、トランスビューの工藤さんや、誠光社の堀部さんなど、基本に立ち返って地に足の着いた形で、いい流れを作り出そうとしている人たちの言葉は力強かった。本書、前半はグチまみれですが、後半は前向きです。後半部をもっと押し出してもいいのになーと思います。
読了日:6月17日 著者:浅田次郎,菅直人,千葉雅也,市川真人,鹿島茂,斎藤貴男,高井昌史,福島聡,佐藤健一,堀部篤史,内沼晋太郎,永江朗,鈴木一誌,福井健策,大原ケイ,工藤秀之,小林浩,林智彦,鷹野凌,星野みなみ,香月孝史
HAB本と流通の感想
Human And Bookstore。前号は書店、今号は流通(取次)特集。元取次の方が作っていることもあってか、新しい視点から本を眺めていて、大変興味深く読みました。大手取次にしても、実際の現場(流通センターとか)を取り上げているところがいいなと思います。取次の歴史、自由価格本(八木書店)、新しい小規模取次(ツバメ出版流通)、書店との直取引(トランスビュー)、返本の仕組みなど。2年前(2014年)くらいの取材記が多いですが、昨今の動きを予見したような内容であり、今こそ読まれるべき本だと思います。
読了日:6月20日 著者:
WIRED VOL.23/特集 GOOD COMPANY いい会社の感想
いい会社特集。ビジネスとミッションを両立させるという、現代的な考え方に基づいた企業活動。それが色眼鏡で見られることなく、自然に語られる時代になりつつあるのかなーと思いました(自分のお仕事に翻って考えてみると微妙な感覚しか漂いませんが…)。
読了日:6月22日 著者:
マンガ ギリシア神話〈6〉激情の王女メデイア (中公文庫)の感想
前巻に引き続き英雄譚なのですが、そこに登場してくる魔女メディアがすさまじいインパクトを残していて、完全に彼女の巻になっていました。愛情が嫉妬を生み、憎悪が復讐を生む…。あなおそろしや。しかし物語の構造として冷静に考えてみると、男性に虐げられている女性、という構図が見えてくるわけで、それに対する精一杯の抵抗であったと言えるのかもしれません。それでも怖いけど。他、ミノタウロスやイカロス、赤い糸、コーラス(合唱)の語源などといった話も出てきて、相変わらず面白かったです。
読了日:6月22日 著者:里中満智子
人生を変える南の島々。日本編の感想
沖縄や奄美の島々を紹介。私は新石垣空港ができる前に石垣島とその周辺の離島を訪れたことがありますが、新空港誕生後の変化に関する記述に驚きました。那覇みたいになるのかなぁ。石垣島は、高速船のハブとして利用しつつ、さらなる離島へ足を伸ばす、という楽しみ方に特化されていくんだろうなぁと思います。波照間島に行きたい。
読了日:6月23日 著者:高城剛
母の友 2016年7月号の感想
憲法特集。憲法を自分の生活とつなげて考えてみましょうというコンセプトは母の友らしいなと思います。戦後の改憲の歴史は興味深かったです。正論しか言えない人のおそろしさを描いたという映画、「葛城事件」のレビューと合わせて読みました。他、『はじめてのおつかい』の筒井頼子さんインタビューが良かった。この本、最近読み聞かせしましたけど、今の時代はひとりでおつかい行かせられない&行かせられるような地元のお店とかないよなーと思いつつ。
読了日:6月24日 著者:
新世代CEOの本棚の感想
若手CEOの本紹介。読書遍歴を披露する人、仕事に役立った本を紹介する人、今のトレンドを掴んだコメントをする人など、本を選ぶ基準はさまざまですが、読みたくなることには変わりない…(また読みたい本が増えてしまった)。実際に成果を出している人だから当然ですが、読書をインプットとして、自身の行動(アウトプット)につなげていく、という意識が非常に強いなと思いました。読書量は人それぞれですが、イン/アウトの質についてはみんな一緒だなと思います。個人的に、ホリエモンの暗号技術に対するコメントはガツンと来ました…。
読了日:6月27日 著者:堀江貴文,森川亮,佐渡島庸平
ブロックチェーンの衝撃
読了日:6月29日 著者:ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会
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