【Music】 Apparat "Walls"

ベルリンのサシャ・リングによるソロユニット、アパラットの 5th アルバム。2007年作品を聴きました。Ellen Allien と共作していて気になった人です。内容ですが、さくさくと聴きやすいエレクトロニカと思います。優しげな電子音をそこかしこにちりばめつつ、ヴォーカルやヒップホップの要素を入れたりしてとっつき易さを上げていると感じますし、エレクトロニカ特有の雰囲気に溺れることなく、しっかり音を出しているとも思います。一方で、シューゲイザーのような音幕を張ったり、低音響かせてトリップホップのような暗い雰囲気を出しているところなどは、目先だけをコロコロと変えているような印象で、音世界の作りそのものに対して感動を覚えるようなことはできず、繰り返しの聴き込みに耐えられる作品ではないかなとも思えました。どうも薄味といいますか、あざといといいますか。もちろん凡庸だなどと言うつもりはありませんが、即効性の分だけ何かを犠牲にしているような気もします。

Walls (Dig)