【Music】 The Field / From Here We Go Sublime (2007)

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The Field / From Here We Go Sublime (2007)

スウェーデンの Axel Willner によるユニットの 1st。Kompakt から。昨年出た新譜を聴くにあたって、過去の作品をさかのぼって聴いてみました。

軽やかでダンサブルな四つ打ちから、ゆったりと心を揺らすリズムまで、テクノ／ハウス方面で様々な展開を取りそろえた楽曲群です。音はボイスサンプルやシンセのループを多用していて、1フレーズの繰り返しが寄せては返す波のような心地よさを覚えます。各々の曲が相当なトリップ感を持ちながらも、様相としては目まぐるしく変化していくという、聴き手を飽きさせない多彩さも感じる。終盤はエレクトロシューゲイザーなノイズの洪水まで出てきて、ちょっと驚きました。とりわけ、キックの音色が印象に残っていて、金属質な感触だったり、ラバーコートされたような柔らかい感触だったりといった、一発目の音の違いもって、曲全体の表情を一変させてしまう、精度の高さが素晴らしいと思います。そしてさらに加えて、そんな多彩さがあるにも関わらず、全体の雰囲気がどこか統一されているところが印象的です。うまく言えませんが、聴き心地のよいフレーズ、メロディーといった要素が際立っていて、幻想的な空気を醸し出しているのかもしれません。

そんな感じで、素晴らしい作品だと思います。通して聴くと、全体的に統一感がある一方で、個々の楽曲はバラエティに富んでいるという、二度美味しい作品だと思いました。余談ですが、M-2「A Paw In My Face」のフェードアウト部分に少しだけ出てくる、ギターのメロウなフレーズは何なのでしょうか。唐突に出てきてすぐ終わってしまうくせに、かなりかっこいいのです。ちょっとしたお遊びで済ませるのはもったいないような…。

The Field - A Pawn In My Face