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【TRPG】 ショパンの女性遍歴ェ… - マギカロギア シナリオ 華麗なる雨の夜想曲

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先日マスターを務めた、マギカロギアのシナリオを配布します。

 

最近、「トラスティベル ~ショパンの夢~」というゲームを遊んでおり、ショパンの女性遍歴を元にしたシナリオを作ってみたものです。【秘密】の効果など、既存シナリオからかなりパクっているので、オリジナリティはありません。また、禁書、断章などのデータは記載していません(ルールブックから適当に借用したため…)。

 

プレイヤー人数は3~4人を想定しています。3人の場合のリミットは4、4人の場合のリミットは3です。

 

『華麗なる雨の夜想曲 

 

六分儀市に住むピアニスト、諸橋英雄は不治の病に侵され死の床にいた。

そんな中、彼がかつて恋をした女性たちに対する想いを、禁書〈華麗なる雨の夜想曲は利用し、六分儀市に謎の疫病を蔓延させる。

彼と親交のあった女性に断章をまとわせ、さらなる魔法災厄をふりまく禁書を、〈大法典〉に属する魔法使いたちは封じることは出来るのか。

 


 

オープニング

 

PC1

六分儀市にある、大きな館。著名なピアニスト、諸橋英雄が住む家に、あなたは呼ばれていた。

原因不明の病に冒され、死の床にある彼。

時を刻む柱時計の音だけが、辺りに響いている。

そして彼の傍らには、ひとりの女性が付き添っていた。

彼女の名は、保坂涙という。

ここで、諸橋英雄と保坂涙のハンドアウトを公開する。

PC は、諸橋英雄に対して運命を結ぶ(属性はランダム)。

 

PC2

六分儀市にある、小さなライブハウス。

スポットライトのあたる先には、倉戸心愛がいた。

著名なピアニスト、諸橋英雄から提供されたというナンバーを、情感たっぷりに唄う彼女からは、不思議な気配が漂っていた…。

ここで、倉戸心愛のハンドアウトを公開する。

PC は、倉戸心愛に対して運命を結ぶ(属性はランダム)。

 

PC3

深夜、降りしきる雨の中を歩いていると、頭上で風を切る音を感じる。ふと見上げると、ビルとビルの間を、何かの影が横切るのが見えた。一瞬のことではっきりとはわからなかったが、不吉な予感を感じる。

すると突然、周囲にいた人々が咳き込み倒れ伏してしまった。禁書による魔法災厄に間違いない。

ここで、空飛ぶ影のハンドアウトを公開する。

PC は、空飛ぶ影に対して運命を結ぶ(属性は宿敵)。

 

全員(もしくはPC4)

六分儀市にある〈大法典〉の支部である「市立図書館」に呼び出される。

責任者である影原文子から、現在、この街で謎の病気が蔓延する事件が起こっていることを告げる。そして、これは魔法災厄であること、禁書〈華麗なる雨の夜想曲の仕業であろうことが告げられる。また、封印結界の発動する4日後(4人の場合は3日後)の夜までに、断章を回収するように命じる。

また、今回の魔法災厄には、諸橋英雄とその周辺の人物が関係していることを告げる。ここで、残りの登場人物のハンドアウトを公開する。

※PC4は、いずれかの人物について運命を自由に結んでよい。

 


 

ハンドアウト

 

カタカナ名は、モデルとした人物です。

 

諸橋英雄(もろはし・ひでお):フレデリック・ショパン

【人物】

著名なピアニスト。39歳。

ショパンの曲を得意とし、その叙情的な旋律は、かつてピアノの詩人といわれたショパンの再来とまで言われている。

現在、病を患っており、余命いくばくもないといわれている。

【秘密】

彼は、彼がかつて恋をした女性たちに対する自らの想いが現在の魔法災厄を引き起こしており、また、禁書の存在が彼自身の命を永らえていることを直感的に悟っている。

禁書が封印されれば彼の命は失われるが、彼もまた、それを望んでいる。

彼はメインフェイズにおいては、いかなる手段をもってしても死ぬことはない。

 

倉戸心愛(くらと・ここあ):コンスタンツィア・グラドコフスカ

【人物】

英雄と交友のあった女性。

若い頃、彼に曲をプレゼントされたことがある。

自身はライブハウスなどで活躍する歌い手であり、英雄の曲は彼女のレパートリーとして有名である。

【秘密】

彼女は英雄に対して、曲を作ってくれたことについて感謝はしているが、それ以上の想いは抱いていない。

この秘密が明らかになった場合、断章〈雨だれ〉が暴走し、彼女に災厄が降りかかる。「予知夢」として処理すること。

災厄が防げなかった場合、運命変転が発生する。

 

保坂涙(ほさか・るい):デルフィナ・ポトツカ伯爵夫人

【人物】

英雄と交友のあった女性。

彼にピアノを指導されていたといわれている。

病に伏せる英雄に付き添っているが、恋愛関係にあるかどうかは不明。

絶世の美女との評判。

【秘密】

保坂夫人は〈書籍卿〉であり、禁書を自分のものにするつもりでいる。

各クォーターの最後のシーンで、断章に憑依されている【秘密】が公開されている NPC がいた場合、その者を襲撃する。

ただし、すべての断章をPCが回収したら、この件からは手を引く。

調査を行ったPCは、彼女に対して1点の【運命】を獲得する。属性は「宿敵」となる。

 

※注意:タイミングによっては保坂夫人の襲撃を防ぐことができないパターンが起こりえます(断章に憑依されている人物に対して、いずれの PC も運命を持っていない場合など)。このため、保坂夫人の【運命】を持っている PC は、襲撃シーンに登場できる、というルールを記載してもいいかもしれません。実際のプレイでは、クォーターの最後のシーンでこの【秘密】が明かされてしまったため、〈円卓〉の PC がドラマシーンを無理やり挿入し、襲撃される人物への【運命】を獲得するという、これはこれで熱い展開に…。

 

砂生譲(さそう・じょう):ジョルジュ・サンド

【人物】

英雄と交友のあった女性。

病弱な英雄を長年支え続けたが、現在はその関係を解消している。

自身は著名な女流作家として名をはせている。(名前はペンネーム)

【秘密】

譲は断章〈華麗なる大円舞曲〉に憑依されている。

彼女は英雄に対して愛憎入り混じった複雑な想いを抱いており、英雄が死の床にあることを知って激しく動揺し、その隙をつかれて断章に憑依されてしまった。

 

神野真理亜(じんの・まりあ):マリア・ヴォジンスカ

【人物】

英雄と交友のあった女性。

英雄とは幼馴染で、若い頃より親密な間柄であり、婚約をするまでに至っていたが、英雄が病弱であったことから、家同士で問題となり、婚約を破棄させられてしまった。

現在は良家の男性と結婚し、主婦として何不自由なく暮らしている。

【秘密】

真理亜は断章夜想曲に憑依されている。

彼女は婚約破棄されてからもずっと英雄を想い続けており、その強い想いが断章を引き寄せてしまった。

 

空飛ぶ影

【人物】

謎の影。

原因不明の病気が蔓延している六分儀市でたびたび目撃されている。

【秘密】

背中にこうもりのような羽根を持つ、人間型の悪魔。

英雄の身体から、禁書の力によって引きずりだされた病魔である。

英雄自身が患っている、不死の病を人々の間に蔓延させている。

病魔は断章〈雨だれ〉に憑依されている。

 


 

以上です。マギカロギアのシナリオを初めて作ってみたところ、さっくりとできてしまってびっくりしました。

何というか、シナリオについて、「こうすればこうなる」みたいな流れを意識する必要がなく、「こうである」という状態を整理するだけで、シナリオが完成してしまうという感じ。

実際にやってみると、【秘密】が明かされるだけで、そのタイミングなどによって勝手にドラマティックにシナリオが展開していき、物語が転がっていきました。サイコロフィクションってすごい。

またやりたいと思います。

遊んでから気づいたのですが、憑依深度の存在、忘れてましたね…。

 

魔道書大戦RPG マギカロギア (Role&Roll Books)

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