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【Game / Music】音楽が最高だべ - トラスティベル ~ショパンの夢~ (Xbox360)

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ポーランドの作曲家/ピアニスト、フレデリック・ショパンをテーマにした RPG、トラスティベル ~ショパンの夢~」をクリアしました。Xbox 360 版です。

 

前述のとおり、ショパンの生涯、作品、イメージなど、ゲーム全体をショパンで彩った作品といえます。世界設定は彼が亡くなる間際に見た夢、章立てはすべて彼の曲名、固有名詞もほぼすべてが音楽用語です。シナリオも彼の人生における経験が投影されているように感じられますし、音楽はピアノやオーケストラを基調とした素晴らしいものになっています(後述)。

 

章立てがショパンの曲名なので、それを中心に、主に音楽について書いていきたいと思います。

 

第一章「雨だれ」は、まさに雨だれを表現したような、しっとりとした曲。ゲームの中でも暗いイメージの中で雨が降り続いていて、いい感じでした。今思えば、最初が一番、きれいに合っていたような…。

 

第二章「革命」は、失敗に終わったワルシャワ革命(11月蜂起)に対する絶望と怒りがこめられた曲で、ストーリーにもいささかシンクロしているようです。反政府組織とか出てくるし。それにしても「革命」はかっこいい曲です。なおラスボスの音楽は、「革命」の桜庭統アレンジバージョンとなっており、素晴らしい出来栄えです。

 

第三章「幻想即興曲」は、曲としては超有名曲なのではずせないだろうなと思いつつも、ゲームとの接点は特にないような…。死後に公表された曲ですし、生涯になぞらえるのも難しかったように思います。シナリオとしてはここで大きな展開があり、ちょっとついていけなくなる…。

 

第四章「華麗なる大円舞曲」は、ショパンの作品にしては軽やかで聴きやすい曲です。シナリオの舞台もがらっと変わって、明るい王宮をイメージした曲とよくマッチしています。

 

第五章夜想曲は、第2番は誰しも聴いたことがあるのではないでしょうか、という感じの有名曲ですね。ゲームでは「夜」にシナリオの重要なポイントとなるシーンが出てきます。夜想曲自体がロンド形式であることが、章ラストの戦闘と関係するのかな…とか思ったり。

 

第六章「別れの曲」は、これも誰もが知ってる有名曲ですね。でも後半の激しい展開は知られていないような気もしますが…。別れに対する心の乱れを表しているのです、たぶん。なお、ショパンがここで表現した「別れ」は、恋愛とかじゃなくて、祖国との別れらしいです。重い。ゲームのシナリオも同じような展開が入っております。

 

第七章「英雄」は、これもみんな知って(以下略)。ジョルジュ・サンドとのリア充生活と、祖国への想いが、力強い展開を生み出しているのでしょう、たぶん。ここはあんまりゲームの展開と合ってないなぁと思います。夢の世界の、さらにインナースペースに入っていく感じなので。合ってるのは「ユニゾンくらいでしょうか。

 

全体の音楽は桜庭統です。全体のイメージに合わせるかのように、ギター等は使わず、ピアノやオーケストラ中心の楽曲。しかし、とりわけ戦闘曲については、スピード感を損なわず、上品さに拘泥せず、ゲームミュージックとして素晴らしい仕上がりだと思います。得意分野と新機軸とで、うまくバランスが取れているのでしょうか。通常戦闘曲にしてラストバトルクラスの名曲ですし、草原の開放感、ダンジョンのまがまがしさといった、戦闘以外の曲も素晴らしかったです。

 

その他、音楽以外のところ。

戦闘のシステムはとても気持ちいいです。通常攻撃でヒット数を稼いで、必殺技を連続で当てていくというシステム。最近の RPG ってすごいですねぇ(「ファンタシースターII」の次に遊んだので…)。また、グラフィックは幻想的で美しい。

一点、残念なところとして、ストーリーは微妙です。ムービーが雰囲気過剰で冗長なのに説明不足なところが多く、話についていけないところがけっこうありました。特に終盤の超展開は、ウィキペディアみてストーリー補完してやっとわかるとか、それはいかんです…。

 

以上です。ストーリーを補完しつつ、ムービーに目をつむれば、かなり楽しめる作品だと思います(そこに目をつむれるかどうかという時点で、人を選ぶ思いますが…)。なお、2週目要素(実績解除含む)があるのですが、やるかどうかは未定。

 


前奏曲 作品28の15「雨だれ」 ショパン - YouTube

 

 

トラスティベル~ショパンの夢~オリジナルスコア

トラスティベル~ショパンの夢~オリジナルスコア