【Book】 2013年印象に残った20冊
読書メーターで「2013年おすすめランキング」という企画に乗っかってみたところ面白かったので、ふりかえりながらくわしく書いてみます。尚、自分の読書記録が基準なので、選んだ作品は2013年刊行に限りません。
akiuさんの2013年おすすめランキング本棚 - 読書メーター
とりあえず、料理本と育児本という、新しいジャンルを開拓できた年でした。
どちらも、これまで自分が読んできたものとは明らかに異なる、異質な雰囲気が出ています。
なんというかこう、想いって大事なんだなという感じ(よくも悪くも)…。
「臨死!! 江古田ちゃん」 の中の人のエッセイが素晴らしかったです。
細かいところまでこだわる視点に、愛情を感じる。
3.11後の心の動きも、ひとごととは思えない感じで胸に迫るものがありました。
BORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”
- 作者: クリストファー・マクドゥーガル
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/07/31
- メディア: Kindle版
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
読み終えた後の走り出したくなる感じがすごかった。
まさに人間は、「走るために生まれた」のだっていいたくなります。
ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス-1 キミだけが望むすべてだから (富士見ドラゴンブック)
- 作者: 中村やにお,F.E.A.R.,白味噌
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2013/04/20
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (9件) を見る
最狂に頭のおかしい(ほめてます)爆笑オープニングから始まるにもかかわらず、本編は各キャラに「秘密」を持たせたテクニカルなシナリオで、それを見事な物語に作り上げていくプレイングに舌を巻く、といった、ひとつぶで二度おいしいリプレイでした。
2巻もすごいです。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
- 購入: 6人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
プラハでのソビエト学校時代を思い起こしながら、当時の友だちに会いに行くノンフィクション。
回想シーンの超絶的な面白さと、その後の再会シーンのギャップとか、読みどころ満載でした。
文章も「軽妙洒脱」とはまさにこのことだ、という魅力があります。
これも独自視点の育児マンガです。
そうそう、首にアカがたまるんですよねぇ。
赤ちゃんはかわいくないところがたまらなくかわいい、ってことです。
まだ途中ですが、F はやめられないとまらないマンガでした。
聖のエピソードが強烈すぎて、夢でうなされる。
表紙からして最高な、ラヴクラフト・オマージュ。内容も面白かったです。
描写がエグいのにどこかこっけい。
黒史郎さんさすがです。
世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
- 作者: 内澤旬子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/05/25
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
屠殺ではなく「屠畜」。
とりわけ日本では、差別とからめてセンセーショナルになりがちなテーマですが、淡々と解体のようすを描いていたのがよかったと思います。
猟師マンガ、「山賊ダイアリー」とあわせてどうぞ。
実は野球経験者な私。
最近、野球中継をみながらぶつぶつつぶやくオッサンと化してきました。
さておき。
セオリーに徹底的に従わない野球で、野球エリートに勝負を挑む頭脳エリート。
すっとぼけた感じの文章とも相まって、とても面白かったです。
ホリエモンのいっていることはスタンスが明確で、基本的にブレない。
合理的な側面を徹底的に追求して、コモンセンス(常識)をうたがう。
明快な文章なので、彼の本を読むと、社会人として心がざわつきます。
そんなホリエモンが、過去の弱い自分も含めてさらけ出したというこの本が面白くないはずがないのでありました。
- 作者: スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 単行本
- 購入: 34人 クリック: 437回
- この商品を含むブログ (238件) を見る
ヤバいっす。
「経済学的視点」というのが身につきます、たぶん。
MIT の創設者が90年代に書いた本。
アトムからビットって、当時は突拍子もない意見に見えたのかもしれません。
「先見の明」ってまさにこのことかと思いました。
押井守が好きな人にしかオススメしません。
まあ、押井さんの作品はぜんぶそうですが…。
マルチジャンル・ホラーRPG インセイン (Role&Roll Books)
- 作者: 河嶋陶一朗,冒険企画局,青木邦夫
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2013/09/05
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (6件) を見る
みんな「秘密」を持っているという、シノビガミライクなホラー。
シノビガミと違うのは、「世の中には知らないほうがいいこともあるんだよ」ってことですね…。
TRPG 経験者には上記を説明するだけで「やりたい!」ってなること請け合いです。
飢えから人を喰らおうとする、みたいな話。
後半はとりわけ、親子の悲劇でもあります。
前半の描写の方がインパクトは強いですが、後半の方が自分には重くのしかかってくる内容でした。
何しろ、子どもが生まれた日に読んでたマンガですからね…。
変な刑事(まるだし刑事とか)が出てくるふざけた小説ですが、内容がちょう渋くてめちゃくちゃ面白いのです。
最後は感動してしまった、まるだしなのに。
謎。
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス(ハルタ))
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2013/02/19
- メディア: Kindle版
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
独特の感性とさらっとしたユーモア。
重いテーマをひょうひょうと描く感じが天才的に面白いと思いました。
九井諒子はすごいです。
電子書籍オンリーなマンガ。もとはニコニコ静画なのかな。
こういう出版形態もいいね、ということで。
子どもがかわいいです。
御大の作品はいつまで読めるんでしょうか。
という心配をよそに、長短篇を出し続けるのでありました。
日記もいつも拝読しております。
辰巳先生は今年で御年90歳です。
まだまだテレビに出続けています。きょうの料理とか…。
まさにハードコア主婦。
著作からほとばしる、食に対する情熱もすさまじいです。
以上です。
今年もたくさん面白い本に出会いましょう。