【Book】 最突端の言葉を届けるレーベル、アイデアインクを紹介するよ(後篇)
後篇は各作品を個別に紹介していきます。
情報の呼吸法 (津田大介)
メディア・アクティビスト(謎の肩書)、津田大介による情報の扱い方。
すべてはここから始まった。ソーシャルメディアってこれからどんどん使われていくんだろうなぁと、近い将来について思いをはせるような内容です。しかし今となってはすでに過去の歴史な雰囲気もあるので時代は早い。
ソーシャルデザイン (グリーンズ編)
ソーシャル系サイト、「greenz.jp(グリーンズ)」で話題になった記事の詰め合わせ。
すべてはここから始まったその2(情報の呼吸法と同時発売)。アイデアインクの雰囲気を捉えるなら、津田さんよりまずはこっちかなと。さまざまな社会の問題に対する前向きな解決方法をたくさん紹介しており、まさにアイデアインクの理念がぎっしり詰まった内容です。
芸術実行犯 (Chim↑Pom)
「ピカッ」や「明日の神話」で(良くも悪くも)話題になった、パフォーマンス系アート集団による芸術論。
受け手の価値観を揺さぶったり新たなものの見方を提示したりするのが芸術である、というのを体現していると思った。力強い芸術論です。加えて、同じような活動をしているアーティストを多数紹介していて、そちらも役立ちます。
非道に生きる (園子温)
「愛のむきだし」、「冷たい熱帯魚」、「地獄でなぜ悪い」など、話題作多数の映画監督による自伝的語りおろし。
自身の人生すら、映画的に、エンターテインメントとして見せようとしているのではないかと思った。とにかく観客の目を釘付けにしつづけないとダメ、みたいな。
外食2.0 (君島佐和子)
雑誌「料理通信」編集長による、料理エッセイ。
先進的な料理について語っていて面白かったです。先進的であると同時に、普遍的なおいしさがないといけないというバランス感覚について、考えさせられるところが多かった。
世界婚活 (中村綾花)
ラブジャーナリスト(なんだそれは)による、婚活記。
日本の「婚活」が合わなかったので、世界に飛び出して自分に合う婚活を探したという、行動力と発想がよかったです。置かれた場所で咲かない。
日本をソーシャルデザインする (グリーンズ編)
ソーシャル系サイト、グリーンズで話題になった記事の詰め合わせ第2弾。
第2弾は日本の記事を中心にセレクト。もともとが草の根的な話なので、より身近に感じられる話題になっていてより面白いです。
日本をソーシャルデザインする (idea ink(アイデアインク))
- 作者: グリーンズ
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2013/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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SUPERな写真家 (レスリー・キー)
ポートレート系写真家による自伝。
裸一貫で来日し、成功していくという成り上がりなエピソードが超面白かったです。みせしめ的な逮捕は悲しい。これからもがんばってください。
ファッションは魔法 (山縣良和+坂部三樹郎)
前衛的なファッション・デザイナー2人によるエッセイ。
アートよりのファッションですが、壮大な(無駄な)テーマとかメッセージ性をあまり持たずに、直感で流行にのったデザインを重視しているようなところが、ファッションらしいなと思いました。いろんなジャンルの特性が出るなと。
本の逆襲 (内沼晋太郎)
ブック・コーディネーターによる本のはなし。
本は好きだけど、ブックカフェとかああいう類はあまり好きではない私ですが、内沼さんの言葉はあくまでも「本が主役」なのがいいのだと思います。
B&B はいちど行ってみたいです。
以上です。
ジャンルはけっこう多岐にわたっているのですが、自分にまったく関係の無い話題でも、というかむしろそっちの方が、より楽しめるのがアイデアインクなのかなと思います。
次作以降も期待しております。