字のない絵本の「読み方」 - 薮内正幸 『どうぶつのおやこ』
字のないえほん
わが家には、文字のない絵本があります。
いろんなどうぶつのおやこが、写実的にえがかれているえほんです。
文字はいっさいなし。
以前、ためしに買ってみたのですが、どう読み聞かせしたものかと、悩んでいました。
「ぞうさん、ぱおーん」とか言ってみたりしたけど、特に反応もなく。
私がちょっと恥ずかしくなっただけで終わる。
というわけで、本書はしばらく本棚の肥やしになっていました。
字のない絵本の「読み方」
そんな折、えほん&こそだて雑誌である「母の友」に、「字のない絵本を『読む』」という特集がありました。
これはまさに、私が求めていたもの…! と思い、早速読んでみる。
そしたら、元図書館司書、伊藤明美さんのことばにびっくりしました。
わたしは表紙に書かれた題名を読んだ後は、何も言葉を添えず、ゆっくりと絵を見せていきます。(中略)字のない絵本の場合、声という要素は基本的に必要ないと思っているからです。
(中略)
子どもたちが何か言ったときは受け止めて、「そうだねえ」あるいは、「なんだろうねえ」などと反応しますが、それ以上のことは言いません。
言葉のない「自由」を楽しむために、あえて言葉を発しない、という「読み方」。
驚くと同時に、私から言葉を発して絵を「縛って」しまっていたのかもしれないなぁ、などと考えたのでありました。
字のない絵本を読む - 実践編
というわけで、早速、前述の「どうぶつのおやこ」で、実践してみる。
タイトルを読み上げて、だまってページをめくる。
最初は、いぬのおやこです。
しばらくすると…、おもむろにニコニコとしはじめ、うんうんとうなずいているではありませんか…!
他の絵などでは、「おー!」と声をあげ、指さしたりしてます。
結局、「これなに?」みたいに聞いてくる時は「ライオンさんだよ」などと答えましたが(答えないと怒るので…)、最後までご機嫌なままで、読み終えました。
感動。
まとめ
あえて言葉を添えずに、あるがままの絵を受け入れる。
そうはいっても…と、やってみるまでは半信半疑でしたが、思った以上に反応があって、たいへん面白い体験でした。
これからも「字のない絵本」、読んでいきたいです。
なにより、声を出さなくていいから楽だしな!
おしまい。