2016年印象に残った15冊
はじめに
2016年に読んだ本で、印象に残ったものを挙げていきます。
例年の読書メーター企画に乗っかったものです。
印象に残った順です。
2016年は、後半はあまり読書がはかどらず、ペースがあがりませんでした。
そのせいで、積読がますますひどいことに…。
あと、小説読まなさすぎ(けっこう買ってるのに…)。
中野美和子 『赤ちゃんからはじまる便秘問題』
子どもの便秘に悩まされていた私にとって、救いの神となった本。
とても気が楽になると同時に、しっかりと問題に向き合って、前向きに取り組めるようになりました。
実際に、まだ完治はしていませんが、症状はかなりよくなっています。
実用的という意味で、一番勧めたい本かもしれません。
『世界を変えるデザイン2 スラムに学ぶ生活空間のイノベーション』
世界を変えるデザイン2――スラムに学ぶ生活空間のイノベーション
- 作者: シンシア・スミス,Cynthia E. Smith,北村陽子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2015/10/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2016年は、ソーシャルデザインについて、大学で学ぶ機会に恵まれました。
様々な出会いもあり、大変充実していたと思います。
本書はそこで紹介されていた本。
スラムの生活空間に対するアイデアがたくさん紹介されているのですが、ぶっつぶして再開発、とかではなく、そこに住む人たちの生活を尊重しながら出てくるアイデアっていう在り方が、素晴らしかったです。
ソーシャルデザインについては、2017年も引き続き、学んでいく予定。
石橋毅史 『まっ直ぐに本を売る』
出版業界が話題になる昨今ですが、2016年は「取次」にスポットがあたった年だったと言えるかもしれません(老舗取次の破綻が大きな契機か)。
既存の大手取次を介さず、「直取引」で書店へ本を卸す、「トランスビュー方式」を紹介した本書に、出版業界の新しい可能性を見ました。
「HAB」最新号や、「ユリイカ」出版の未来特集も良かったです。
石川直樹 『ぼくの道具』
写真家、石川直樹による、究極の道具本。
別にエベレストにアタックするつもりはありませんが、使い込んでいる道具を眺めているだけで、どうしてこんなに興奮するんでしょうか。
高城剛『LIFE PACKING』の続編とあわせてどうぞ。
LIFE PACKING2.1―未来を生きるためのモノと知恵―
- 作者: 高城剛
- 出版社/メーカー: パブラボ
- 発売日: 2016/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ベニー松山 『風よ。龍に届いているか』
小説はこれくらいしか読んでない。
伝説のウィザードリィ小説、Kindle 化されたのでついに読めました。
ゲームのネタを仕込み、独自の解釈を発展させて世界設定を作り込み、その設定を基に、濃密な文章とクライマックス的な展開をこれでもかと詰め込んで、物語を転がしていく。
最高の二次創作と言えるでしょう。
前作、『隣合わせの灰と青春』もよかったです。
印南敦史 『遅読家のための読書術』
遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
- 作者: 印南敦史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一字一句読んで、あますところなく読み込まなければならない。
そう思っていた時期が、私にもありました。
そんなことしたって、覚えてられないのにねぇ。
音楽を聴くように、本を読む。
気が楽になります。
岩村充 『中央銀行が終わる日 ビットコインと通貨の未来』
ビットコインをちょっと勉強する羽目になったのですが、いくつか読んだ関連書籍の中で、もっとも印象に残った本。
「マイナス金利付きデジタル通貨」は、強烈なインパクトでした。
ビットコインの技術(ブロックチェーン)を使ったサービス、本当に出てくるのかなぁ。
マイケル・ルイス 『マネー・ボール』
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
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データ野球とひとくちにいっても、何をもって客観的なデータとするか、ということが大事だという話。
リーグ戦には強くても、短期決戦のプレーオフに勝てるとは限らないところも面白いです。
マネーボール以降のデータ野球ってどんな感じなんだろう?
村上由美子 『武器としての人口減社会』
武器としての人口減社会 国際比較統計でわかる日本の強さ (光文社新書)
- 作者: 村上由美子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/08/17
- メディア: 新書
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少子高齢社会への道を突き進む日本を各種統計から分析し、解決策を探った本。
問題のあぶり出しについては、とても有効な本だと思います。
解決策は提示されていないので、これを元に色々考えていきましょう、という内容。
でもそれでいいと思います。
三木清 『人生論ノート』
哲学ノート。
メモをとりながら、「三木清『人生論ノート』ノート」というまとめをつくったのが、自分の中でもよかったです。
今、エントリを読み返したら、毎年やろうかなって書いてあるな…。
やるか。
都甲幸治ほか 『きっとあなたは、あの本が好き。』
きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)
- 作者: 都甲幸治,武田将明,藤井光,藤野可織,朝吹真理子,和田忠彦,石井千湖,阿部賢一,岡和田晃,江南亜美子,今井キラ
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2016/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ひとつの本をネタに、これを好きな方はこの本もおススメです、的な連想で、本を次々と紹介していくトークライブ。
読みたい本が増えすぎて困りました。
都甲さんが紹介する海外文学はどれも面白いですよねぇ(あまり読めていませんが…)。
能田達規 『マネーフットボール』
サッカー版「グラゼニ」。
ボール奪取1回で何万円とか、そういう話に加えて、Jリーグを知り尽くした作者の細かいネタが最高な作品でした。
次回作にも期待いたします。
F.L.アレン 『オンリー・イエスタデイ』
オンリー・イエスタデイ―1920年代・アメリカ (ちくま文庫)
- 作者: F.L.アレン,Frederick Lewis Allen,藤久ミネ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/03
- メディア: 文庫
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1920年代アメリカ、「狂騒の20年代」の社会史。
繁栄と、その裏側にある差別などの要素との表裏一体感が興味深かったです。
なんか浮かれてると、細かいけど大事なことを見過ごしてしまうっていうのが、なんかとてもよくわかる感じ…。
ひじかた憂峰(作)松森正(画) 『湯けむりスナイパー』
ひじかた憂峰(狩撫麻礼)原作によるマンガ。
続編含めて全巻、一気読みしました。
エグ味のあるドラマと、変な幻想性との組合せが、味わい深くじわじわとハマりました。
やっぱり狩撫麻礼、最高や。
路上文学賞 受賞作品集
ホームレスの方を対象とした文学賞。
星野智幸氏が関わっていて興味を持ち、クラウドファンディングで出資したところ、冊子をいただけました。
力強い言葉が並んでいます。
ちなみに、サイトから PDF で全部読めます。
以上です。
2017年もよい本に巡り会えますように。
おしまい。