【Music】 にせんねんもんだい 『デスティネイション トーキョー』

3人組のインストバンド、にせんねんもんだいの新譜です。店頭発売は3月ですが、ライヴ会場で先行発売されていたので聴きました。内容としてはライヴと同様、ギターのループからやがて四つ打ちが入り、さらにベースが割り込んできて徐々に空気が熱くなるように上がっていく感じです。そこから一気にブレイクして畳みかける…かと思いきや、そういうことはあまりなく、音がミニマルにぐるぐると回る様子に、陶酔感を見出すような感じと言いますか。長尺の曲が多く（全5曲中4曲が10分近くかそれ以上）、瞬発力で引っぱるよりも、じっくりと引きずり込むような魅力はあると思います。ギターの音は目の覚めるような音色だったりしますね。それでも、曲数がこれだけ少ないのにあまり区別がつかないのもどうかという気もしますが…。彼女らの中で、個人的に一番好きなベースなどは、CD でも強いことは強いのですが、ライヴだともっと荒々しいかっこよさがあったと思うので、ドラムも含め、その辺の妙な大人しさも少し気になりました。にせんねんもんだい個人のキャリアとしては、新しく前向きな姿勢が感じられたりもするのですが、そこから出てきた内容については、思いきりはまるところまでは行かなかったのが正直なところです。

ディスティネーション トーキョウ