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読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

【Music】 Clark "Turning Dragon"

 

イギリスのテクノミュージシャン、Christopher Stephen Clark の 4th アルバムを聴きました。WARP から。内容ですが、前作からわりと劇的に変化していて、驚きました。生楽器と電子音の見事な掛け合いを見せていた前作から、思いっきりフロア志向の IDM へとシフトしておりますよ。序盤の、ヴォーカルを細切れにしつつ、早いビートで押しまくる曲は Mouse On Mars をスピードアップさせたかのようですし、これはこれで、かなりかっこいいと思います。しかし、中盤辺りからはいささか息切れ気味です。全体としては、チープで下品な電子音をガツガツ浴びせつつ突っ走るような感じで、LFO なんかを思い起こさせたりもしますが、あちらよりもどこか重苦しくて閉塞感があり、それでいて、ひたすら思い切り叩きつけるような感じなので、聴いているとだんだん辛くなってきてしまうのでありました。正直、その辺のバランスがあまり良くないと思います。時折、焦燥感を煽る素晴しいフレーズを見事にビートに乗せたような曲もあるので(M-8「Mercy Sines」)、これまでの音楽性との融合が果たせれば、名作を生み出しそうな予感も抱かせます。彼のキャリアとしては、新機軸を打ち出したような印象ですので、次作以降に注目していきたいと思います。

 

TURNING DRAGON (WARPCD162)

TURNING DRAGON (WARPCD162)