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【Music】 The Black Lips / Good Bad Not Evil (2007)

 

アトランタの4人組バンド、ブラックリップスによる2007年リリースの 5th。

 

昨年リリースの "200 Million Thousand" は、最初の1、2曲は暴走気味のビートに惹かれたりもしたけど、後は泥酔したヴェルヴェッツみたいな音楽だなという程度の印象しか抱けず、有り難がって聴くのはビンテージな雰囲気に浸りたい人だけじゃないかって感じでしたが、最高傑作との呼び声も高いこのアルバムは、結構良かったです。結局私は、彼らを語る際によく引き合いに出される 13th Floor Elevators がバンド名であることも知らなかったような人間なので(世代のことを指してると思ってた)、ブラックリップスの根底に流れるリズム&ブルーズやカントリー、最初期のサイケデリック等に対する嗜好をほとんど持ち合わせておらず、彼らの音楽性を評価することは出来ないのですが、それでもアルバム全体が泥臭さに覆われているのはいい味出してると思うし、ヨレヨレだけど楽曲には疾走感があって、危なっかしさとカッコヨサが同居した魅力がある。単純にメロディも良いですし、陶酔感のある音色も相まって、ダラダラと気楽に聴けます。ディアハンターとホワイトストライプスの間に入れるのが、自分的にはしっくりくる感じ。意図的に出している音の粗さは、グラインドハウス的なあざとさを感じたりもしますが、狙っているかどうかはともかく、それがバンドの特色であることも確かなので、まあいいか。

 

以上、タナソウ絶賛ということもあり、SNOOZER 村の外れの一軒家に住む偏屈ジジイである私にとっては、避けて通れない作品でありました。それにしても、CD のセールスに縛られることなくライブで世界を自由に飛び回る彼らを称賛しつつ、当アルバムが日本盤化されたからといってキッズ達に買え買えと迫るのは、あまりにも分かりやすすぎる二枚舌ですね(2010年2月号参照)。ネタでやってるんでしょうか。

 

Good Bad Not Evil

Good Bad Not Evil