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【Music】 Weezer / Raditude (2009)

 

アメリカの4人組バンド、ウィーザーによる2009年リリースの 7th。

 

これを機に、ウィーザーのカタログを一通り聴き直してみたのですが、私が一番良いと思うのは、今も昔もグリーンアルバム (3rd) だなと思いました。なぜなら、「コーラスとギターの親和性が一番高い」から、これに尽きる。メロディーは平坦な曲が多いですが、とにかく耳に馴染みやすく、同時にそこそこ激しくもあって、淡々とした気分のままアガれる。素晴らしい。次点はメイクビリーブ (5th) かな。ちょっとギターがうるさいけど、曲は良いです。ブルーアルバム (1st) は、メロディーは良いけど感情が溢れすぎてて良い曲とダメな曲がはっきりしすぎてるし、ピンカートン (2nd) は迷走感が強すぎて感情的にしか評価することが出来ない(熱狂的なファンが付くのは理解できなくもないけど)。マラドロワ (4th) は一番やかましくて聴いてられないし、レッドアルバム (6th) は、完成度が高く良い曲もあり、かなりの本気度が伺える内容ですが、全体のバランスはイマイチ(これはシングル向けの曲を外部からねじ込まれたらしいことが影響しているかもしれないけど、どうかな)。

 

というわけで、やっと今作まできた。明確に「売れるアルバム」を作りに来たという意図を感じます。ジャーメイン・デュプリやブッチ・ウォーカーといった外部からのヒットメイカーを招聘し、多彩な音楽性を取り込んでポップに仕上げるスキの無い楽曲群は、非常に良くできていると思いますが、同時に、特に印象に残ることなく、ごく普通のアルバムとして受け取ってしまいますね。昔のウィーザーっぽさが一瞬だけ顔を出したりする曲もありますが、全体的にはそうした過去を振り切って、カラッとした良質な楽曲ばかりをお届け。私は特に素晴らしいアルバムとは思いませんでしたが、決して出来が悪いわけではないので、いいのではないでしょうか。個人的には、緑盤みたいにシンプルな曲が並んでるだけで十分ではあるけど。

 

そんな感じです。ずいぶん他人事みたいな感じになってしまいましたが、悪い作品ではないから余計、こういう感想になります。最近のオアシスをボロクソに言うのは理解できるけど、ウィーザーは向いてる方向が全然変わってしまっているので、こちらは彼らの行く先をぼう然と見送るばかり。それにしても、リヴァースさんのインタビューを読んでいると、すごいギラギラしてて呆気に取られてしまいます。「いい曲を作らなきゃ」病みたいなのにかかっているし、売り上げ枚数をすごく素直に気にしていますし。まあいつか、「グレイトなポップ・ロック・レコードの名作」を作っていただければ、いいんじゃないでしょうか。 

 

Raditude

Raditude