nettyu

読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

【TRPG】 ワンダー・ローズ・トゥ・ロード / 炎の森

f:id:akiu:20120312222737j:plain

ローズ・トゥ・ロード / 門倉直人 (2010)

仲間内のセッションにて、ワンダー・ローズ・トゥ・ロード(Wローズ)を初めてプレイしました。書名は『ローズ・トゥ・ロード』ですが、正式名称はワンダーが付きます。

ローズについては、その昔、ファー・ローズ・トゥ・ロード(Fローズ)を少しだけ遊んだことがあります。ほとんど覚えていないのですが、ふらふらと旅をして、独特の世界観が妙に楽しかったなぁと。

そしてWローズですが、ルールブックをちょっと読むだけで、他の TRPG とは明らかに異なっていて、強烈なアクの強さを感じました。PC のステータスは、年齢以外に数値を記載する箇所はなく、心や身体、雰囲気といったすべての要素が、「言葉」によって形容されています。キャラクターは、世界を旅する魔法使いであり、混沌の呪縛を解き放つために、必要な「言葉」を集め組み合わせ、世界を変転させていくのです。そして、すべての「言葉」は、「言葉決め」によってランダムに選択された言葉を組み合わせて作られます。このため、提示された言葉から、様々なことについて、即興で「語り」を入れていくプレイが求められるのです。

プレイするにあたっては不安もありましたが、仲間内では、深淵なども好んでよくプレイされていたこともあり、「語り」という行為については、割と問題なく進められるかなと思って、セッションに持ち込んでみました。とはいえ、風読み(マスター)なし、シナリオなし、というプレイだと、内容的にも時間的にもかなり厳しいと感じたので、風読みを私が担当し、シナリオは背景とマップを事前に作成、という感じで臨みました。プレイヤーは2人で、少ない人数でじっくりやってみようという体制でスタート。

キャラ作成は、かなり楽しく出来ました。言葉によって決められるステータスに戸惑いながらも、イメージがだんだんと膨らんできて、楽しく作れたと思います。セッションが始まってからも、散策から印象風景の言葉を得て、語りを入れながらローズガーデン(言葉のプール)に溜めていくところは順調でした。

しかしながら、集めた言葉から、今回のシナリオを解決に導く言葉を作りだすための行為、「夢見舞い」によって、言葉を切ったり、変換させたり、組み合わせて別の言葉を作ったりといった、「変異混成」を行うところで、かなり混乱しました。それまでイメージ重視で進めていたセッションが、ここにきて突然、言葉のパズルを要求されることになり、それ以降、プレイの方向性が極端に変わってしまった。戸惑いとともに、どっと疲れがやってきて、テンションも下がり…。

また、いわゆる敵に対して魔法を放つ「響き合い」については、このセッションでやってみるところまで行きませんでした。「吸血鬼の狼」などを敵対的存在として出しましたが、時間や気力の都合もあって、響き合いは行わずに、言葉決めの語りでもって追い払うことで済ます。

というわけで、最後の方でいろいろと崩壊気味になってしまったセッションとなりました。マスタリングにいささか問題があったような気もしますが、とても残念であります。

個人的に、システムのコンセプトには大興奮するし、言葉決めは超楽しいけれど、変異混成が曲者だなぁという印象です。何か、見逃しているルールでもあるのでしょうか…。マスターなしのアドリブは、我々の環境では今後も実現困難と思われるので、マスターがもっときっちりとしたシナリオを用意するか、フルアドリブセッションはひとりプレイで楽しむかかな、と思いました。とりあえず、今度はソロで遊んでみます…。

 

ワンダー・ローズ・トゥ・ロード Wiki

著者公認の Wiki。シート類の PDF ファイルが置いてあります。