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【Music】 小坂忠 / HORO2010 (2010)

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小坂忠が1975年にリリースしたアルバム『ほうろう』を、オリジナル音源を調整した上で、新たにボーカルを録り直した、再録盤。35年ぶりの「ほうろう」。

フジロック2012での完熟トリオのライブが素晴らしかったので、トリオの一角、小坂忠のアルバムを聴いてみました。だいぶ前ですが、こんな推薦をいただいていたということもあり。

 

オリジナルは聴いていないので元バージョンとの比較はできませんが、素晴らしいアルバムでした。小坂さんの歌声が艶っぽいのに若々しくて、とても味があります。渋い、というわけではなく、やんちゃな部分を持ち合わせた、いい歳のとり方をしているなという感じの歌声で、ハマる。

楽曲は、ファンキーなソウルミュージックって感じです。キーボードやコーラスがかっこいい。個々のパートはキラキラと輝いているいっぽうで、全体のまとまり(グルーヴのようなもの)がいささか弱い気がしてしまうのは、ライブを先に見てしまったからか、それとも、マスタリングを切り貼りしたせいなのか、ちょっと分かりませんが、小坂さんのボーカルをうまく引き出しているのは確かかと思います。

それと、歌詞。ほぼすべてが日本語で、言い回しが印象に残る不思議な言葉が多くて面白いと思いました。逆に新鮮さすら感じます。

 

個々の楽曲については、だいたい何かが刺激的な曲ばっかりです。M-1「ほうろう」は曲展開がかなり刺激的でしょっぱなから飛ばしてます(作詞・作曲は細野晴臣)。かっこいい。M-2「機関車」はソウルフルに歌い上げるバラードですが、歌詞が過激で強く印象に残ります。M-4「氷雨月のスケッチ」は、はっぴいえんどの曲をソウルフルに歌い上げていて良いです。M-5「ゆうがたラブ」は、「木金土は~」、「月火水は~」という不思議なコーラスが耳から離れなくなる楽曲。こんな歌詞なのにファンキーでかっこいいのである。M-6「しらけちまうぜ」は、いちど聴いたら忘れられない、ポップな名曲。スカパラオザケンのボーカルに乗せてカバーしていますね。M-10「ふうらい坊」も、はっぴいえんどのカバーですね(「風来坊」)。最後の曲っぽくなくて、延々とリピートしてしまう。他の楽曲も、ファンキーでソウルフルでポップでよかったです。

 

以上です。さらりと聴いていましたが、元が35年前の音楽というのは、あらためて考えてみるとすごいことではないだろうか。オリジナル盤も聴いてみようと思います。

 

以下は本作リリース時のインタビュー。クリスチャンになってからのゴスペル作品もちょっと興味あります。

『HORO2010』 小坂忠 インタビュー|HMV ONLINE

 


機関車/ 小坂忠&鈴木茂

ライナーやインタビューにもあるとおり、ライブだとキーがちょっと低いのですね。


完熟トリオ (小坂忠 / 鈴木茂 / 中野督夫)

フジロック2012。2分すぎから「ゆうがたラブ」。