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読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

【Game / Music】 Child of Eden (Xbox360)

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音楽と映像がシンクロする 3D シューティング、チャイルド・オブ・エデンをプレイしました。

Rezを手がけた、水口哲也による作品で、それをさらに進化させたようなゲームと言えるでしょうか。幻想的な映像と、清潔感のあるダンスミュージック、そこにプレイヤーがインタラクティブに介入していくことで、かなりの没入感を得ることのできるゲームでした。Kinect にも対応しており、そちらで遊ぶとさらにすごいです。全能感に満ちあふれた気分になれます。

 

ここでは、ゲームの内容や攻略についてでなく(やり込もうとするとけっこう難しくて…ということもあり)、音楽について書きたいと思います。

 

Child of Eden の音楽は、水口氏がプロデュースをつとめるダンスユニット、元気ロケッツの楽曲が全編にわたって使われています。各ステージの展開にもとづいてロングミックスされた音楽で、徐々に曲の様相が明らかになっていくような感覚が気持ちいいです。以下、ステージごとに。

 

STAGE1: Matrix - Fly

よくよく聞いたり調べたりしないとわからないくらい、大幅に変わっています(他の曲の要素も使われているでしょうか)。最後のところで、この曲のフレーズが入ってきたなぁと気づくくらい。原曲のロッキンで比較的激しいドラムを、ドスドスとわかりやすい四つ打ちに変えているのは、リズムに合わせて弾を撃つとボーナスが入るというゲームの仕様を取っ付きやすくするために、リズムを強めに配置しているからではないかと思います。Matrix ver も好きですが、原曲の開放感はちょっと弱まっているように思いました。逆にそのぶん、プレイしているときの一体感はすごいものがあります。

 

STAGE2: Evolution - Star Line

最初、静かに入っていって、きれいで控えめなビートを刻みながら、徐々にボーカルを入れていく流れ。ステージの途中で、ぱぁっと外に開けていくところがあって、音楽も静かに開放されていくところが最高に心地よかったです。原曲のようにアゲアゲなビートでガンガン押す感じとはだいぶ印象が異なりますが、こちらもとてもよかった。初見時は、あまりの超展開にプレイを忘れて見入ってしまい、死にました…。

 

STAGE3: Beauty - Breeze

比較的ゆったりとしたテンポで徐々に上がっていくミックス。ギターのフレーズとか、ボーカルをうまく取り入れつつ、深く静かに上がっていく感じです。中盤以降、だんだん音の数が増えていくようすが、世界を浄化していくというゲームコンセプトにもぴったり合っているなと思いつつ。最後は本当に美しいです。原曲の軽やかな表情を残しながら、感動を何倍も増幅させた良曲。

 

STAGE4: Passion - Maker

いきなりボスと対峙するステージの展開と同様、ホットスタート的な始まりかたでいきなり上がります。実際、「Maker」も最初から最後まで早い展開で駆け抜ける楽曲でありますね。一番印象に残ったのは、他ステージにはない金属質なビート。自機が放つ弾もそんな感じの音を鳴らしたりするので、とにかくプレイしていて気持ちよいです。難しいけど。途中であまりきれいではない音を入れるところも、よい意味で目立っていると思う。原曲も元気ロケッツの中ではかなり好きな方ですが、このステージの楽曲が一番、素晴らしいかなと思いました。私の腕だと、音楽を味わうほど楽なステージじゃないってところが問題ではありますが…(一応、ダメージのないフリープレイでも遊べます。でも何か負けた気になりますよね…)。

 

STAGE5: Journey - Heavenly Star and Flow

最後のステージは、「Heavenly Star」を壮大なスケールに仕上げたロングミックス。そのまま、「Flow」へと流れて感動的に終わります。元気ロケッツのさわやかバージョンも悪くないですが、Journey のそれは本当に美しくて、耳に残ります。また、ステージ構成ともあいまって、中盤に強いビートでもうひと上がりするところも興奮します。そして、ビートが抜けたところで訪れる、サビの開放感といったら。この音楽の中を、自分で操作しながら進めているって感覚は、本当によかったです。

 

以上です。音楽を「聴く」だけではなく、音楽に「触れる」ことができる、いわゆるインタラクティブ性を楽しむゲームでありますので、楽曲だけ聴くより実際にプレイした方がずっと気持ちいいです。逆に、それで初めて音楽が完成するともいえる。自分にはぴったりと合った、素晴らしいゲームだと思いました。

 

尚、ステージ数の少なさや、クリアまでの時間の短さに対する批判を目にしたことがありますが、個人的には1ステージごとのボリュームがたっぷりでしたし、連続して長時間プレイするものでもない(逆に、習慣的に何度も遊んでしまう中毒性が高い)と思うので、気にはならなかったです。

また、それと関連して、以下のインタビューを読んでいて思ったのですが、水口氏のゲーム作りの感覚は、音楽に近いのかなと思いました。「僕が作るものは,数時間で一通り遊べるんだけど,何度も繰り返し遊びたくなるものを目指しています」というくだりは、ゲームを一度クリアして終わり、という感じではなくて、音楽を繰り返し聴くという行為に似ているのかなと思ったり。

 

4Gamer.net ― 水口哲也氏が「Child of Eden」で形にしたかったもの,そしてゲームを取り巻く環境が変化していく中で考えていること

 


Child of Eden Soundtrack - Matrix (Full) - YouTube