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マギカロギア シナリオ配布 「幸福と退屈のアゲハ」

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先日、マスターを務めた、マギカロギアのシナリオを公開いたします。

シナリオの流れは、斉藤和義「アゲハ」という曲のイメージから連想したものです。タイトルに出てくる、「幸福と退屈」は、これも斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」から持ってきたもの。

シナリオを作る過程で、あまちゃんっぽい設定が入りこんできましたが、特にあまちゃんらしくはなっていません、たぶん。そもそも観たことないし。

禁書、断章などのデータについては未掲載です。PC に合わせて調整いただければと思います(私の環境では、第四階梯の魔法使いを相手にしたので…)。

 

幸福と退屈のアゲハ

基本情報

システム:マギカロギア

舞台:現代日本(2010年~2021年)

プレイヤー人数:3人

サイクル数:4(サイクル毎に数年単位の時間経過を伴う)

「基本ルールブック」に加えて、「幻惑のノスタルジア」の追加ルールを使用

 

概要

歌手を夢見るひとりの女性、海野夏子。

そんな彼女の才能に、禁書〈幸福と退屈のアゲハ〉は目をつけ、歌の力によって人々の精神を狂わせる魔法災厄を起こそうと、彼女の周囲に断章を潜ませる。

彼女が歌手として成長する10数年の間に、禁書もまた、力を蓄えていった。

〈大法典〉に属する魔法使いたちは、彼女を救い出し、禁書を回収することができるのか。

 

今回予告

二十一歳の彼女は今日も歌を歌ってる

こんがらがってた頭の中を波がさらっていく

 

二十二歳の彼女は今日も夢を見ている

きっとあの街へ行けばすべてが変わるはず

 

二十六歳の彼女は今日も月に尋ねる

「何か忘れてる気がするんだけど、あなた知ってる?」

 

三十二歳の彼女は今日も…

 

オープニング

2010年の仙台から始まる。

 
PC1

夜の仙台駅の広場。

ひとりの女性が、ギターを片手に歌っている。

道行く人がさっさと通りすぎる中、なぜか PC は、彼女の歌声から耳を離すことができなかった。

ここで「海野夏子(21歳)」ハンドアウトを公開する。

PC は、彼女に対して運命を結ぶ(属性はランダム)。

 
PC2

仙台の夜の街。

静かで落ち着いた雰囲気のバーにいる。

マスターは40前後の女性、海野春美。つかずはなれずの会話で、とても居心地がよい。

その時、店のドアが開き、海野夏子が帰ってくる。

歌や上京についてのちょっとした口論があった後、夏子はバーの奥へと引っ込んでいくのだった。

ここで「海野春美」ハンドアウトを公開する。

PC は、彼女に対して運命を結ぶ(属性はランダム)。

 
PC3

仙台の夜の街。

PC は、ひとりの〈書籍卿〉と相対していた。

〈書籍卿〉の名は、広瀬香

彼女は PC に、この街にひそむ禁書の存在を挙げ、魔法災厄の現出を予告すると、姿を消した。

PC は、広瀬香に対して運命を結ぶ(属性は宿敵)。

 

全員

六分儀市にある〈大法典〉の支部である「市立図書館」に呼び出される。

責任者である影原文子から、禁書〈幸福と退屈のアゲハ〉の存在と、魔法災厄が将来発生する恐れがあることを告げられる。

また、今回の禁書は、海野夏子とその周辺の人物を狙っていることを告げる。

その後 PC は、仙台へと戻っていく。

 

第1サイクル

舞台は、2010年の仙台

ハンドアウトは以下の2枚。

 
海野夏子(21歳)

【人物】

歌手を目指すひとりの女性。

東京へ上京して一旗あげようとしているが、母親(海野春美)に反対されている。

【秘密】

夏子は本心では母親と一緒に東京に行きたいと思っている。

誰かが彼女の本心を彼女自身に確かめさせた場合、1サイクル目の終了時に、彼女は自ら、母親を説得する(このシーンは、マスターシーンとして扱う)。

 
海野春美

【人物】

海野夏子の母親。

夏子を産んだ後、離婚。

仕事を転々としつつも、女手ひとつで彼女を育ててきた。

現在は仙台で小さな BAR を経営している。

東京に上京しようとする夏子に反対している。

【秘密】

春美は本心では、夏子についていきたいと考えている。

夏子が真剣に彼女を説得した場合、彼女は夏子に従って一緒に上京する。

彼女は断章〈退屈〉に憑依されている。

第1サイクルの終了時点で、〈退屈〉が回収されていない場合、春美と夏子の親子の仲は絶縁状態となり、〈退屈〉は姿を消す。

 

第1サイクル終了時点で、春美が上京を決意していない場合、春美は仙台に残り、夏子だけが上京することになる。その後、春美は震災に巻き込まれ、「運命変転」が発生する。

第1サイクル終了後、各自、任意の人物を対象に、「事件表」を振ること。

 

第2サイクル

舞台は、2011年の東京

ハンドアウトは以下の2枚。

 
水谷龍平

【人物】

夏子の高校時代の彼氏。

高校卒業後、地元仙台で仕事に就いていたが、震災後、東京の彼女の下へ転がり込んできている。

【秘密】

龍平は断章〈幸福〉に憑依されている。

彼は実は震災で命を落としており、現在は断章の力によって生きながらえている。

(彼自身は、自分が死んでいることに気づいていない)

断章が回収された場合、彼は本当の死を迎えることになる。

第2サイクルの終了時点で、〈幸福〉が回収されていない場合、龍平は周囲の人間を殺し、〈幸福〉は姿を消す。

 
花巻大

【人物】

夏子のマネージャー。

彼女の才能に惚れ込んでおり、無名の彼女を売り込もうと必死である。

【秘密】

特になし。

「ブランク秘密表」を適用すること。

 

第2サイクル終了時点で、断章〈幸福〉が回収されていない場合、花巻大が犠牲となる。ハンドアウトから取り除くこと。

第2サイクル終了後、各自、「時の流れ表」を振ること。

 

第3サイクル

舞台は、2015年の東京

ハンドアウトは以下の2枚。

 
海野夏子(26歳)

【人物】

歌手。

名前もそこそこ売れてきたが、本当にブレイクするには何かが足りない、かもしれない。

【秘密】

彼女は自分の中で、大切な人を失くした過去を清算できていない。

この葛藤が、彼女の歌に迷いを生じさせている。

《歌》 分野のランダムな特技による判定に成功することで、彼女の迷いを払拭することが出来る。

この判定は、ドラマシーンの調査判定(「情報」を獲得する判定)として扱う。

 
涼風ひろ美

【人物】

歌手。

全国的にも名の知れた歌姫、それはまさしく、「ディーヴァ」。

夏子のあこがれである。

【秘密】

彼女は〈旧世界秩序〉に所属する〈書籍卿〉 である。

別名、広瀬香

この【秘密】が公開された後、断章を持つ愚者が明らかになった場合、彼女は次のシーンでその愚者を襲撃する。

この襲撃は、「予知夢」として扱うこと。

予知夢シーンへは、涼風ひろ美、もしくは、広瀬香をアンカーに持つ PC も、登場を試みることが出来る。

彼女は魔法戦で敗北した場合、この事件から手を引く。

 

第3サイクル終了後、各自、「時の流れ表」を振ること。

 

第4サイクル

舞台は、2021年の東京

ハンドアウトは以下の1枚のみ。

 
海野夏子(32歳)

【人物】

歌手。

その実力は世界にも伝わっており、東京オリンピック閉会式のステージに立つなど、大きな成功をおさめている。

【秘密】

彼女は歌手としての成功を願う気持ちにつけこまれ、断章〈アゲハ〉に憑依されている。

第4サイクル終了時点で、断章が回収されていない場合、もしくは、断章が回収された時点で、彼女の迷いが払拭されていない場合、彼女は断章を求める〈書籍卿〉となり、断章を PC から奪おうと、クライマックスフェイズで PC に襲いかかってくる。

 

海野夏子が〈書籍卿〉となった場合、クライマックスフェイズの戦闘は、〈書籍卿〉海野夏子と、禁書〈幸福と退屈のアゲハ〉との分割戦闘となる。

 

後記

以上です。

尚、夏子が途中で死んでしまった場合など、まったく考慮していませんでした…。禁書が無理やり生かしてるってことで、次のサイクル(時代)も平然と出てくるとか、適当にでっち上げるしかないです。

マギカロギアは非常に事故が多いシステムの作りをしているので、面白いと同時に、アドリブを否が応でも駆使することになるので、けっこう疲れます。

実際のプレイでは、ブランク秘密表の花巻氏が〈書籍卿〉になってしまい、かなり焦りました…(断章戦で、断章側の立会人としてのみ、登場させました)。

 


斉藤和義 - アゲハ - YouTube

 

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