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Oneohtrix Point Never, Floating Points, bvdub, smoug, goat - Linus 定期便 2015年12月

人はなぜ年末に駆け込むのか

2015年12月の Linus 定期便報告です。

年内に聴いておきたい病により、いろいろと駆け込みで買ってしまった。

まあいつものことです。

尚、年が明けると、昨年聴けなかったものを補完する病が発症します。

ということで今回は5枚。

最後のは売り切れてたのでタワレコで買ったのですがまあ一緒に書いてしまいます。

 

Oneohtrix Point Never - Garden of Delete (2015)

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NY の Daniel Lopatin さんによるたぶん7枚目。

実験的で攻撃的なエレクトロニカ

ひと昔だと IDM という言葉がしっくりくるような。

カットアップによって予測不可能に形作られた曲展開。

複雑なリズムが脳を揺さぶったかと思えば、不意に穏やかなシンセによって空中に放り出されたりする。

前作よりもさらに開き直ってアグレッシブに攻め続け、時にユーモアをも感じさせる楽曲群を堪能。

その振り幅に気持よく翻弄されたまま、じっと下を向きながら聴きこんでしまいました。

傑作!

LINUS RECORDS/Oneohtrix Point Never : Garden Of Delete [CD]

 

Floating Points - Elaenia (2015)

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UK の Sam Shepherd さんによる1枚目。

ジャンル横断系のディープ・ハウス。

ジャジーでムーディーなドラムで耳をさらりと撫でたり、不可思議なシンセ音で刺激したり、とても凝った音作りです。

全体の雰囲気はやわらかく、アーバンでオシャレな感じではあるのですが、前述のとおりムード一辺倒ってわけでもないので、かえって気分よく聴ける。

クロスオーバーって、まさにこんな音楽のことだよなーって感じ。

いろんなジャンルが詰め込まれていて、アーティスト自身の素養の高さを、否応無しに感じさせる作品でした。

とても良かったけど、その能力がちょっとまぶしい。

LINUS RECORDS/Floating Points : Elaenia [CD]

 

bvdub - Safety in A Number (2015)

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サンフランシスコの Brock Van Wey さんによる「2015年の」2枚目。通算は多作すぎて不明。

荘厳なアンビエントドローン。

ビートは全曲無しで、壮大なシンセの波と、そこから顔を出す儚げなボーカルで彩られた、美しい音世界。

どこまでもどこまでも登りつめていくような、そんな没入感があります。

シンセが幾重にも重なりつつ空間を埋め尽くしていく中に、たぷたぷと気持よく入り込み、すっかり堪能しました。

素晴らしいです。

ちなみにこの作品、「レーベルもカタログ番号も無しの、完全にひとりのアーティストとしての自主制作でのリリース(Linus 紹介文より引用)」で、パッケージは365枚限定。うち100枚は日本限定で、Linus Records のみで販売、という代物です(Bandcamp でも買えるけど、日本からのオーダーはキャンセルされちゃうらしいぜ…)。

正直、色々と限定なのに惹かれて買っちゃったのですが、結果的には良かったです。

LINUS RECORDS/bvdub : Safety In A Number [CD]

 

smoug - FOLK REMEDY (2015)

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富山と東京と広島在住の5人組による2枚目。

テン年代仕様のポストロック。

ぼうっと霞んだ雰囲気のエレクトロニカゼロ年代に私がハマってたヤツ)に、きらびやかなギターサウンドなどが乗っかってくる感じの音楽を、勝手にそう呼ぶことにします。

いわゆるジャンル的なところを軽やかに横断していて、ダンスミュージックとかもさくっと取り込んでいるところも、テン年代っぽいです。

軽めのダンスビートや、遠目からやってくるシンセの向こう側から、メロウなギターがやってきたりするのが気持ちいい。

とろとろとした雰囲気の中で、すべてが絶妙に絡み合っていますね。

バンドだからナマの音で、とかそういう概念も無いんだよな、という、今さら当たり前なことに気づいたりもしました。

とても良かったです。

ちなみに、ギターは Linus Records 店主です。

LINUS RECORDS/smoug : FOLK REMEDY [CD]

 

goat - Rhythm & Sound (2015)

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大阪の4人組による2枚目。

トランシーなミニマル・ミュージック

ドラムだけでなく、ギターやベースまでもが、バツバツとトライバルなリズムを奏でているような感じ。

サックスがちょっと彩りを添えるくらい。

全体の構成はとにかくストイックで、トライバルな雰囲気の延長線上でそのまま炸裂するのかーっ、と思いきや、特にそういう瞬間はなく、ひたすら同じ温度でループしていく。

そこが逆に、気持ちよさを生み出してもいますが、ここぞってところで一歩引かれているような感覚も、ちょっと抱きました。

良いのですが、なぜこんなにストイックなんだろう?

LINUS RECORDS/goat : Rhythm & Sound [CD]

 

おしまい。

 

www.linusrecords.jp