2015年印象に残った10冊
はじめに
2015年に読んだ本で印象に残ったものを挙げてみました。
昨年と同じく、読書メーターの企画に便乗したものです。
akiuさんの2015年おすすめランキング本棚 - 読書メーター
印象に残っている順に、新刊に限らず、挙げています。
…ここまで、昨年の同記事とまったく同じ記載である。
進歩がない。
ただし、今回は10冊しか挙げられませんでした。
退化しとる。
昨年は、前半に書評本をまとめて読んだり、「本の雑誌」の定期購読を始めたりと、アンテナを広げるようにしたのですが、その広がったアンテナに引っ掛ける(=読みたい本をリストアップする)作業に時間が取られてしまい、実際の本を読むところが一行に進まず、消化不良を起こしてしまったような感じ。
なかなか、新しい読書を始めることが出来なかったり、途中までしか読めていないシリーズも多い…。
今年は何とかしたいです。
とりあえず、電子書籍は場所を取らないからいくら積読しても大丈夫、っていう意識を改めたい。
以下、本題。
池澤夏樹 『静かな大地』
そんな中、数少ない新規開拓が池澤夏樹でした。
新聞のエッセイを読んでいて、ちょっと過激で文学的な言い回しで社会を語るのが苦手だなーと思っていたのですが、小説は面白かった。
いや、だからこそ、面白いのか。
無料期間中に何冊か読んだ作品はどれも良かったです。
中でも一番良かったのはこれ。
北海道開拓民とアイヌの話。凛とした悲劇。
おかず 『ダイナマイト刑事 BURNING 2020』
ダイナマイト刑事 BURNING 2020 (桜ノ杜ぶんこ)
- 作者: おかず,一二三書房,岩元辰郎
- 出版社/メーカー: 一二三書房
- 発売日: 2014/05/05
- メディア: 文庫
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2020年の東京オリンピックを舞台にした完全新作小説。
なぜ今(2014年)出たんだ? と思いつつも、内容はたいへん面白かったです。
ゲーム経験者のための小ネタが満載ないっぽう、知らなくても純粋に楽しめます。
この作者、何者だ…?
なんか、「いっき」のノベライズもしているらしいので読みたい。
紀田順一郎・東雅夫 編 『日本怪奇小説傑作集1』
明治~昭和初期くらいまでの、怪奇小説アンソロジー。
いずれの短篇も読み応えがあって、短い中にずしりと響く雰囲気。
谷崎潤一郎「人面疽」が大好きです。
辻原登 『東京大学で世界文学を学ぶ』
近現代小説の講義録。
「ドン・キホーテ」の多重構造が、とてもややこしくて、とても面白かった。
このめんどくさい感じが、小説の面白さのひとつなんだよなぁと、あらためて思う(物語だけじゃないんだよ)。
開高健 『最後の晩餐』
そういえば開高健も読み始めたのでした。
食からほど遠い話から始まりつつも、最終的には食の話になっているという力業。
構成がエグくて、いろいろとひどい。
彼の作品は今年も読んでいきます!
ダン・アリエリー 『予想どおりに不合理』
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 文庫
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人間が、経済的に合理的でない行動を取ってしまうことについて、様々な事例を紹介した本。
行動経済学って面白い。
事例を読みつつ、「私はそんなことないもんねー」と鼻で笑っていたのですが、よく考えたら電子書籍の半額セールで買いまくってしまう私の行動は、十二分に不合理である!
「仕事文脈 vol.1」
いろんな仕事について考える雑誌。
先に最近の号を読んでいたのですが、ちょっと方向性に違和感を感じていたところで、バックナンバーを読んだらたいへん面白く、その違和感の出どころがわかったような気がしました。
人より優れていないところ(短所)を、自分の強みに変えるっていう、発想の転換みたいなのがいいんだなーと。
誤解を恐れずにいうと、ぼんくらってこと。
優れた人が、人と違う生き方(仕事)をするのとは違うんです。
「HAB 新潟」
新潟の本屋さんについての本。
本屋さんについての本は、他にも何冊か読みました。
一昨年に、内沼晋太郎『本の逆襲』を読んで以降、本屋についてよく考えるようになっています。
この本を編集発行した、松井祐輔さんの活動には注目しています。
ホーム/Home - humanandbookstore ページ!
中村柾子 『絵本の本』
絵本の読み聞かせに関する本。
お話を曲げたり飛ばしたりしてしまうと、物語の豊かさが弱まってしまう(フィルターをかけずに、リアルな話を伝えるべき)、っていうところが、まさに! と思って興奮した。
子どもが2歳になって、絵本の読み聞かせが楽しくてしょうがない、今日この頃です。
梅木泰祐 『あせびと空世界の冒険者』
マンガ。
浮遊島と飛行船、古代文明の遺産、空の巨獣、伝説の地図など、正統派な要素が詰まった冒険ファンタジー。
上記の単語にピンときた人にとって、面白くないはずがあろうか(反語)。
4巻まで来ましたが、しっかり楽しめています。
これからも頑張ってほしい。
おわりに
以上です。
今年も素敵な本に出会えますように。
そして今年こそ、財政赤字(積読本が読了本の冊数を上回ること)が解消しますように…。
おしまい。