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【Music】 Doves / Kingdom of Rust (2009)

 

マンチェスター出身の3人組バンド、ダヴスによる2009年リリースの 4th。

 

4年ぶりの新譜は、これまでで一番、最初に聴いた時の印象が悪くて、これまでで一番、聴く度にどんどん良くなっていく作品でした。作品をリリースする毎に、後からじわじわとやってくる傾向が強くなっている気がします。音的には、結構ギターがノイジーに炸裂してたりもするのが、方向転換という感じで、ちょっと驚きです。音の激しさを、過去作よりも前面に出してきている気がする。メリハリがあって、かなり分かりやすくなった感じ。2nd の儚げでキラキラした音ではないし、3rd の奥深い音作りとも違う。一聴すると、その方向性は、安易に静かと動を振り分ける方向に流れているという印象も受けます。かといって、いつも通り、即効性があるわけではないので、どうもパンチに欠けるな、とも感じる。しかし、ダヴスのアルバムは、そんな音楽にもかかわらず、聴けば聴くほどハマってしまうのです。ついこの前まで、「ダヴスがそんなにギターをがなり立ててどうするよ…」と思ったりもしたのですが、いつの間にか、じわじわと心に染み入るように気に入ってしまいました。どこから来るんでしょうかね、この素晴らしさは。上手く言えませんが、やっぱり、楽曲そのものの良さから来るのかもしれません。湧き上がるように、じわじわと迫ってくるメロディとか、郷愁感あふれるギターの音色とかに、心を鷲掴みにされてしまいます。また、そうした力技を見せつける一方で、全体を淡く包み込むような音作りも素晴らしく、味わい深い。とりわけ、全体の完成度の高さは過去最高ではないでしょうか。それらが上手く同居していて、押し付けがましくもないし、自然と彼らの世界に浸ることができる。そういったことが、私の中で、彼らを特別なバンドたらしめているのだと思います。

 

というわけで、具体的なことを何一つ書いていない気もしますが…、素晴らしいアルバムです。毎回、色々と違う側面を見せたりしてくれていますが、どこまでいってもダヴスでしかないという、唯一無二な音楽。本当に好きです。

 

Kingdom of Rust

Kingdom of Rust