一万円握りしめてジュンク堂へ - 読書記録 2016年6月
2016年6月の読書記録と、本に関する与太話です。
本の雑誌「図書カード三万円使い放題!」
定期購読している「本の雑誌」に、「図書カード三万円使い放題!」という企画があります(不定期連載)。
検索してみて初めて知りましたが、図書カード会社と提携してたんですね。
そりゃそうか。
今年の6月にできた新しい図書カード(図書カードNEXT)って、期限がついた(10年)んですねぇ。
閑話休題。
書店をめぐって、思うがままに本を買い漁る、という企画です。
いいなーいいなー。
読むたびに物欲が刺激されてしまって、うおおおってなるのです。
ということで、私も書店を訪れ、思うがままに本を買うことにしました。
といっても自腹なので、上限は1万円です。
自腹です。
場所は、まとめ買いの聖地(ホントか?)、池袋ジュンク堂にしました。
尚、家庭の事情により、確保できた時間は1時間ちょっと。
かなり駆け足になってしまいました。
ホントは1日中いても、回りきれないと思います…。
一万円使い放題!
ということで、ジュンク堂へ。
(画像は wikipedia より)
いつ来てもデカい。
このお店は、1階集中レジ方式です。
地下1階、地上9階の巨大なビルに本が目一杯並んでいて、レジは1階にずらーっと並んでいる。
ある日、この方式になった時は、興奮しましたね…。
入り口でカゴを手に取り、まずは最上階まで上ります。
上階から下階へと棚を回りながら、ほしい本をカゴに放り込んでいくという買い物スタイル。
これやると、いろいろと大変なことになるのですが、今日はいいの!
IT系のコーナーへ行き、新刊を確認。
まあお仕事関連です。
ふだんは目もくれないのですが(いいのか?)、こういうところに来ると、つい難しそうな本も手にとってしまうのです。
以下を購入。
- ブロックチェーンの衝撃 3,024円
- あなたの知らないところでソフトウェアは何をしているのか? 2,808円
前者は、最近流行りのヤツです。
余談ですが、表紙の日本語フォントがイケてない…。
後者は、パラ見した感じ、入門書っぽかったので買ってみた。
暗号技術とか、ふだんから使っているのによく知らないし…。
他にも、『SOFT SKILLS』とか、面白そうな読み物はありましたが、いきなり予算を半分も使ってしまっているので、ガマン。
次に、子育て本コーナーへ。
前から気になっていた本(『幼児教育の経済学』)などに惹かれつつも、以下を手にとる。
- 保育のグランドデザインを描く 2,592円
いろんな保育園の園長さんが保育について語る専門書、みたいなヤツです。
園長さんの対談者である汐見さんは、テレビ「すくすく子育て」などでお世話になっております(わが家では汐じいと呼んでおります)
さっきも同じことを書きましたが、こういうところに来ると、つい難しそうな本も手にとってしまうんですよねぇ。
帰って妻に見せたら、「お前は何を目指しているんだ?」と言われました。
私もよくわからん。
山の本コーナーへ。
- ぼくの道具 1,620円
冒険写真家、石川直樹の道具エッセイ。
前から欲しかったやつです。
立ち読みしていたら、道具写真も素敵だったので買うことにしました。
やっぱりこういう本は、立ち読みなどで中を見てみないとわからないですねぇ(ネット書店じゃ買えない)。
もう1万円超えてますが、最後に文庫コーナーへ。
- 山之口貘詩集 691円
最近出た、岩波文庫版です。
茨木のり子の文集を読んで、山之口貘に興味を持ったので買いました。
あと、新潮選書のカタログ(ベストセレクション2016)だけいただきました。
『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』とか、気になるモノがけっこうありましたが、ガマン。
これからは、選書の時代なんじゃないかなーと思います。
本でじっくり読む、というのは、新書よりも選書くらいがしっくりくる感じ。
しめて、10,735円。
1万円以上買うと、書店内カフェのコーヒー無料券がもらえるので、ちょっとだけ一服してから帰りました。
完全に一日つぶれますね…。
正直、一時間一万円じゃ足りないなぁ…。
またやりたいと思います(いろいろ気にしながら…ですが)。
おしまい。
読書記録 2016年6月
2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3004ページ
ナイス数:49ナイス
中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来 (新潮選書)の感想
中央銀行による金融政策の限界(将来の先食いだから低成長時代には向かないよ、格差解消も出来ないよ、とか)と、ビットコイン(仮想通貨)の台頭(技術的な解説が、とてもわかりやすい!)について言及しつつ、貨幣の新たな可能性について論じた本。上記のふたつを結びつけることで、「マイナス金利付きデジタル通貨」の誕生を予測する話が大変面白かったです。タイトルほど扇情的な内容ではないのですが、一方で、非常に大きな変化について考察しているので、ある意味タイトル以上に大きなインパクトがありました。
読了日:6月7日 著者:岩村充
古事記ゆる神様100図鑑の感想
タイトルどおり、古事記(+α)の神様をゆる~く紹介。前半はエピソード。後半は神様紹介114連発。わかりやすく可愛くまとまっていますが、どれも名前が似ていて、覚えるのは無理気味。カタカナより漢字の方が覚えやすくないかしら…。ともかく、ゆる絵と、古事記の混沌とした世界観がうまくマッチしていると思いました。日本神話の取っかかりにはとても良い本だと思います。
読了日:6月8日 著者:松尾たいこ
マンガギリシア神話 (4) 悲劇の王オイディプス (中公文庫)の感想
みんなが知ってるオイディプスの話。逃れられない運命的な話が切ない。いわゆる「エディプスコンプレックス」とは違いますよね、この話…。なぜ彼の名前が採用されてしまっているのか(ウラヌス~クロノス~ゼウスの方がよっぽど…)。この話も含めて、呪われた国テバイの悲劇っぷりがひどい。呪いの言葉に縛られてしまう、人の弱さよ。悲劇の種を育てるのは、人の心そのものっていうのは確かにそうなんですが、それにしてもね…。
読了日:6月9日 著者:里中満智子
女騎士、経理になる。 (1) (バーズコミックス)の感想
ファンタジー×経理。アイデア賞モノという感じですが、一発ネタに終わらず、いろいろ世界設定が面白いです。経理全般について、わかりやすく丁寧に教えていることもあってか、ちょっと物語本編の展開がゆっくりすぎる気がしますが、結局、次巻も読まざるを得ない感じになってしまったので、複雑なきもち。まあ、おまけの勇者編の方がインパクトがあって面白いですけどね…。あれって相続税だったのか!
読了日:6月12日 著者:三ツ矢彰Rootport(原著)
girls ZINE ―女子のためのジン案内の感想
女性向け同人誌/ミニコミ誌本(not 腐)。多数の ZINE を紹介。アートとか暮らしとか。女性向けといいつつ、私でも気になる同人誌がいくつかありました(「歩きながら考える」、「暗光」)。タコシェに定期的に行く私には、こういう本は沼である。2010年の本ですが、今も続いてる ZINE はどれくらいあるんだろうか。作るのもそうですが、続けるのが大変だろうなぁと思います(ある意味、やめるのも自由ですし)。
読了日:6月12日 著者:
茨木のり子集 言の葉Ⅰ(全3巻) (ちくま文庫)の感想
詩集『おんなのことば』が良かったので続けて読みました。詩や散文を収録。戦時中に青春時代を送った筆者の、強く鋭くも儚い言葉がぐっと刺さります。ひとつの詩の中で、視点や意味が何回もぐるぐる廻る感じが、感受性を揺さぶる。良かったです。散文は、同人誌「櫂」について回想しつつ、同時代の詩人との交流を描いた「櫂」小史と、山之口貘について語ったエッセイが面白かったです。特に後者は、山之口貘の詩も読んでみたくなりました。
読了日:6月13日 著者:茨木のり子
マンガ ギリシア神話〈5〉英雄ヘラクレス (中公文庫)の感想
みんなが知ってるヘラクレスの話。「ヘラの栄光」=「ヘラクレス」なんですね。ということは、『ヘラクレスの栄光』というゲームは、頭痛が痛い的なタイトルなのか…? ともかく、十二の功業に加えて、それ以外にも様々な冒険がてんこ盛りで面白かった。ちょっと女性や子どもがヒドい目に遭う話が多いのと、ヘラクレス自身の間抜けさ(いかにも英雄っぽいといえばそんな感じ)が気になりますが…。あと、ペルセウスの英雄譚(メデューサ殺し)も掲載。名前だけ知ってる人物が、エピソードとともにつながっていく感じが楽しかったです。
読了日:6月16日 著者:里中満智子
ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来 出版社・書店・取次のリアルの感想
「出版の未来」。全体的に各方面に目配りの効いた記事群。出版と書店はよく言われているところですが、昨今は、「取次」が大きな話題ではないかと(老舗取次の破綻が大きな契機か)。単純な中抜きや犯人探しという話ではなく、業界構造そのものに対する問題なのでありましょう。そして、トランスビューの工藤さんや、誠光社の堀部さんなど、基本に立ち返って地に足の着いた形で、いい流れを作り出そうとしている人たちの言葉は力強かった。本書、前半はグチまみれですが、後半は前向きです。後半部をもっと押し出してもいいのになーと思います。
読了日:6月17日 著者:浅田次郎,菅直人,千葉雅也,市川真人,鹿島茂,斎藤貴男,高井昌史,福島聡,佐藤健一,堀部篤史,内沼晋太郎,永江朗,鈴木一誌,福井健策,大原ケイ,工藤秀之,小林浩,林智彦,鷹野凌,星野みなみ,香月孝史
HAB本と流通の感想
Human And Bookstore。前号は書店、今号は流通(取次)特集。元取次の方が作っていることもあってか、新しい視点から本を眺めていて、大変興味深く読みました。大手取次にしても、実際の現場(流通センターとか)を取り上げているところがいいなと思います。取次の歴史、自由価格本(八木書店)、新しい小規模取次(ツバメ出版流通)、書店との直取引(トランスビュー)、返本の仕組みなど。2年前(2014年)くらいの取材記が多いですが、昨今の動きを予見したような内容であり、今こそ読まれるべき本だと思います。
読了日:6月20日 著者:
WIRED VOL.23/特集 GOOD COMPANY いい会社の感想
いい会社特集。ビジネスとミッションを両立させるという、現代的な考え方に基づいた企業活動。それが色眼鏡で見られることなく、自然に語られる時代になりつつあるのかなーと思いました(自分のお仕事に翻って考えてみると微妙な感覚しか漂いませんが…)。
読了日:6月22日 著者:
マンガ ギリシア神話〈6〉激情の王女メデイア (中公文庫)の感想
前巻に引き続き英雄譚なのですが、そこに登場してくる魔女メディアがすさまじいインパクトを残していて、完全に彼女の巻になっていました。愛情が嫉妬を生み、憎悪が復讐を生む…。あなおそろしや。しかし物語の構造として冷静に考えてみると、男性に虐げられている女性、という構図が見えてくるわけで、それに対する精一杯の抵抗であったと言えるのかもしれません。それでも怖いけど。他、ミノタウロスやイカロス、赤い糸、コーラス(合唱)の語源などといった話も出てきて、相変わらず面白かったです。
読了日:6月22日 著者:里中満智子
人生を変える南の島々。日本編の感想
沖縄や奄美の島々を紹介。私は新石垣空港ができる前に石垣島とその周辺の離島を訪れたことがありますが、新空港誕生後の変化に関する記述に驚きました。那覇みたいになるのかなぁ。石垣島は、高速船のハブとして利用しつつ、さらなる離島へ足を伸ばす、という楽しみ方に特化されていくんだろうなぁと思います。波照間島に行きたい。
読了日:6月23日 著者:高城剛
母の友 2016年7月号の感想
憲法特集。憲法を自分の生活とつなげて考えてみましょうというコンセプトは母の友らしいなと思います。戦後の改憲の歴史は興味深かったです。正論しか言えない人のおそろしさを描いたという映画、「葛城事件」のレビューと合わせて読みました。他、『はじめてのおつかい』の筒井頼子さんインタビューが良かった。この本、最近読み聞かせしましたけど、今の時代はひとりでおつかい行かせられない&行かせられるような地元のお店とかないよなーと思いつつ。
読了日:6月24日 著者:
新世代CEOの本棚の感想
若手CEOの本紹介。読書遍歴を披露する人、仕事に役立った本を紹介する人、今のトレンドを掴んだコメントをする人など、本を選ぶ基準はさまざまですが、読みたくなることには変わりない…(また読みたい本が増えてしまった)。実際に成果を出している人だから当然ですが、読書をインプットとして、自身の行動(アウトプット)につなげていく、という意識が非常に強いなと思いました。読書量は人それぞれですが、イン/アウトの質についてはみんな一緒だなと思います。個人的に、ホリエモンの暗号技術に対するコメントはガツンと来ました…。
読了日:6月27日 著者:堀江貴文,森川亮,佐渡島庸平
ブロックチェーンの衝撃
読了日:6月29日 著者:ビットバンク株式会社&『ブロックチェーンの衝撃』編集委員会
読書メーター
週末の冒険(パン編)と、『からすのパンやさん』
パンまつり
なぜか風呂あがりにパンをこねるふたり。
翌朝、天然酵母のおいしいパンが焼けました。
なんか、夜中にコポコポ物音がするなーと思ってたら、かもしてたんですね…。
ということで、今回はパンのえほんです。
『からすのパンやさん』
からすのパンやさんに4羽の赤ちゃんが生まれててんやわんや。
それが、おみせの経営に影響を及ぼしてしまいます。
ひー!
しかしその状況が、思わぬビジネスチャンスへとつながっていくのです、という話。
…本当ですってば。
いろんなかたちのパンを考えて、たくさん作るところは、たいへんインパクトがあります。
見開きいっぱいに様々なパンが並べられていて、質量ともに十二分。
息子も延々と、パクパク食べます。
…もう寝る時間ですよ…?
そして、あらためて読んでみるとこの作品、ビジネス(マーケティング)としても興味深いです。
たくさん作ったパンめがけて、店に押し寄せる子どもたち。
それを見て、火事や事件と勘違いした人々(鴉々)が、店に次々と殺到します。
そんな人々(鴉々)を追い返さずに、うまいこと誘導し、パンを買わせてしまうのです。
ピンチをチャンスに変え、さらに、そのチャンスを逃さない、凄腕のビジネスマン(ビジネスクロウ)なのでした。
ということで、読み聞かせしながら、これ、完全にビジネス書としても読めるんじゃないかなーと思っていました。
もしかして、「読み聞かせをする親」を意識して書かれているのだとしたら、この作品、相当奥深いぞ…。
なんてね。
おしまい。
週末の冒険(水族館編)と、『あたごの浦』
さかなスキー
とつぜんですが、海の生き物が好きです。
サカナとかウツボとかトドとか。
海の生き物って、自分の想像を越える感じが強くないですか。
何でこんな格好してるんだろう? 的な面白さ。
動物園より水族館派。
水族館ガールは観てません(録画はした)。
ということで、梅雨入り前のよく晴れた日に、一番近い水族館へ行ってきました。
葛西臨海公園駅に降り立つ。
どーん。
地面からの噴水だー。
葛西臨海水族園
今回訪れた水族館(水族園)は、こちら。
マグロ水槽で有名な水族園です。
一時期、大変そうでしたね。
巨大水槽ではマグロやカツオが何事もなかったかのように泳いでいました。
おいしそう…。
ということで、水槽を見て回る。
さめにかぶりつき。
あの、そろそろ次へ行きませんか…。
ペンギンもいるでよ。
このように、あちこちじっくり見て回っておりました。
いろんな見た目の生き物が次々と出てくるので、すっかり夢中な感じです。
やっぱり、海の生き物は面白いよねぇ。
堪能して、帰りました。
お父さんはちょっとつかれたな…。
その後、そういえば魚の絵本は持ってないなーと思い、以下の本を買ってみました。
『あたごの浦』
讃岐のおはなしらしいです。
月のきれいな晩に、さかなたちが陸に上がって大騒ぎする話。
さわぎ方が、どことなくトボけた感じで面白いです。
タコがなすびをむしゃむしゃ食べたり。
…食べないよね…?
中盤から、かくし芸大会が始まるのですが、それもまたヘン。
鯛が木にのぼり、月明かりでキラキラ輝いて、「松にお日さん」とか。
しかも周りがそれを、「妙々々々々々」と言って、はやしたてる。
ヘンなかけ声だなー!
という感じで、終始、不思議な空気が流れているお話です。
文章も訛っていて、それがまたトボけた感じになっている。
息子もちょっと戸惑い気味でしたが、とりあえず、「おタコがおナスビ食べてるねー」などと、興味ぶかそうに絵本を眺めていました。
まあ、海の生き物は不思議なんだ、息子よ。
おわりに
さかなを扱った絵本って、何か不思議な作品が多いような気がするんですよね。
『ごろごろにゃーん』とか。
…さかなの本か…?
ともかく、海の生き物の規格外な感じが、想像力をかき立てられるのかもしれません。
今度は、ジンベエザメを見に、美ら海水族館(沖縄)にでも行きたいねぇ。
おしまい。