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読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

2016年印象に残った15冊

 

はじめに

2016年に読んだ本で、印象に残ったものを挙げていきます。

例年の読書メーター企画に乗っかったものです。

akiuさんの本棚 - 読書メーター

印象に残った順です。

 

2016年は、後半はあまり読書がはかどらず、ペースがあがりませんでした。

そのせいで、積読がますますひどいことに…。

あと、小説読まなさすぎ(けっこう買ってるのに…)。

 

中野美和子 『赤ちゃんからはじまる便秘問題』

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

赤ちゃんからはじまる便秘問題―すっきりうんちしてますか?

 

子どもの便秘に悩まされていた私にとって、救いの神となった本。

とても気が楽になると同時に、しっかりと問題に向き合って、前向きに取り組めるようになりました。

実際に、まだ完治はしていませんが、症状はかなりよくなっています。

実用的という意味で、一番勧めたい本かもしれません。

 

『世界を変えるデザイン2 スラムに学ぶ生活空間のイノベーション

世界を変えるデザイン2――スラムに学ぶ生活空間のイノベーション

世界を変えるデザイン2――スラムに学ぶ生活空間のイノベーション

 

2016年は、ソーシャルデザインについて、大学で学ぶ機会に恵まれました。

様々な出会いもあり、大変充実していたと思います。

本書はそこで紹介されていた本。

スラムの生活空間に対するアイデアがたくさん紹介されているのですが、ぶっつぶして再開発、とかではなく、そこに住む人たちの生活を尊重しながら出てくるアイデアっていう在り方が、素晴らしかったです。

ソーシャルデザインについては、2017年も引き続き、学んでいく予定。

 

石橋毅史 『まっ直ぐに本を売る』 

まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法

まっ直ぐに本を売る―ラディカルな出版「直取引」の方法

 

出版業界が話題になる昨今ですが、2016年は「取次」にスポットがあたった年だったと言えるかもしれません(老舗取次の破綻が大きな契機か)。

既存の大手取次を介さず、「直取引」で書店へ本を卸す、「トランスビュー方式」を紹介した本書に、出版業界の新しい可能性を見ました。

「HAB」最新号や、ユリイカ出版の未来特集も良かったです。

HAB本と流通

HAB本と流通

 

 

ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来 出版社・書店・取次のリアル

ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来 出版社・書店・取次のリアル

 

 

石川直樹 『ぼくの道具』

ぼくの道具

ぼくの道具

 

写真家、石川直樹による、究極の道具本。

別にエベレストにアタックするつもりはありませんが、使い込んでいる道具を眺めているだけで、どうしてこんなに興奮するんでしょうか。

高城剛『LIFE PACKING』の続編とあわせてどうぞ。

LIFE PACKING2.1―未来を生きるためのモノと知恵―

LIFE PACKING2.1―未来を生きるためのモノと知恵―

 

 

ベニー松山 『風よ。龍に届いているか』

風よ。龍に届いているか (幻想迷宮ノベル)

風よ。龍に届いているか (幻想迷宮ノベル)

 

小説はこれくらいしか読んでない。

伝説のウィザードリィ小説、Kindle 化されたのでついに読めました。 

ゲームのネタを仕込み、独自の解釈を発展させて世界設定を作り込み、その設定を基に、濃密な文章とクライマックス的な展開をこれでもかと詰め込んで、物語を転がしていく。

最高の二次創作と言えるでしょう。

前作、『隣合わせの灰と青春』もよかったです。

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

 

 

印南敦史 『遅読家のための読書術』

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
 

一字一句読んで、あますところなく読み込まなければならない。

そう思っていた時期が、私にもありました。

そんなことしたって、覚えてられないのにねぇ。

音楽を聴くように、本を読む。

気が楽になります。

 

岩村充 『中央銀行が終わる日 ビットコインと通貨の未来』 

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来―(新潮選書)

中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来―(新潮選書)

 

ビットコインをちょっと勉強する羽目になったのですが、いくつか読んだ関連書籍の中で、もっとも印象に残った本。

「マイナス金利付きデジタル通貨」は、強烈なインパクトでした。

ビットコインの技術(ブロックチェーン)を使ったサービス、本当に出てくるのかなぁ。

 

マイケル・ルイスマネー・ボール

データ野球とひとくちにいっても、何をもって客観的なデータとするか、ということが大事だという話。

リーグ戦には強くても、短期決戦のプレーオフに勝てるとは限らないところも面白いです。

マネーボール以降のデータ野球ってどんな感じなんだろう?

 

村上由美子 『武器としての人口減社会

少子高齢社会への道を突き進む日本を各種統計から分析し、解決策を探った本。

問題のあぶり出しについては、とても有効な本だと思います。

解決策は提示されていないので、これを元に色々考えていきましょう、という内容。

でもそれでいいと思います。

 

三木清 『人生論ノート』

人生論ノート (新潮文庫)

人生論ノート (新潮文庫)

 

哲学ノート。

メモをとりながら、「三木清『人生論ノート』ノート」というまとめをつくったのが、自分の中でもよかったです。

akiu.hatenablog.jp

今、エントリを読み返したら、毎年やろうかなって書いてあるな…。

やるか。

 

都甲幸治ほか 『きっとあなたは、あの本が好き。』

きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)

きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)

 

ひとつの本をネタに、これを好きな方はこの本もおススメです、的な連想で、本を次々と紹介していくトークライブ。 

読みたい本が増えすぎて困りました。

都甲さんが紹介する海外文学はどれも面白いですよねぇ(あまり読めていませんが…)。

 

能田達規 『マネーフットボール

マネーフットボール 1 (芳文社コミックス)

マネーフットボール 1 (芳文社コミックス)

 

サッカー版「グラゼニ」。

ボール奪取1回で何万円とか、そういう話に加えて、Jリーグを知り尽くした作者の細かいネタが最高な作品でした。

次回作にも期待いたします。

 

F.L.アレン 『オンリー・イエスタデイ』

オンリー・イエスタデイ―1920年代・アメリカ (ちくま文庫)

オンリー・イエスタデイ―1920年代・アメリカ (ちくま文庫)

 

1920年代アメリカ、「狂騒の20年代」の社会史。

繁栄と、その裏側にある差別などの要素との表裏一体感が興味深かったです。

なんか浮かれてると、細かいけど大事なことを見過ごしてしまうっていうのが、なんかとてもよくわかる感じ…。

 

ひじかた憂峰(作)松森正(画) 『湯けむりスナイパー』 

湯けむりスナイパー 第1巻 (マンサンコミックス)

湯けむりスナイパー 第1巻 (マンサンコミックス)

 

ひじかた憂峰(狩撫麻礼)原作によるマンガ。

続編含めて全巻、一気読みしました。

エグ味のあるドラマと、変な幻想性との組合せが、味わい深くじわじわとハマりました。

やっぱり狩撫麻礼、最高や。

 

路上文学賞 受賞作品集

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ホームレスの方を対象とした文学賞

星野智幸氏が関わっていて興味を持ち、クラウドファンディングで出資したところ、冊子をいただけました。

力強い言葉が並んでいます。

ちなみに、サイトから PDF で全部読めます。

www.robun.info

 

以上です。

2017年もよい本に巡り会えますように。

 

おしまい。

 

elk.bookmeter.com

 

「茨城県北芸術祭 KENPOKU ART 2016」に行ってきた

 

茨城県北芸術祭 KENPOKU ART 2016

kenpoku-art.jp

 

1泊2日で行ってきました。

 

「海か、山か、芸術か?」というテーマで、海側と山側に大きく分かれた展示。

山側をめぐりました。

 

行ったところは、このモデルコースとほぼ同じです。

1泊2日でアートと温泉を巡る、のんびり家族旅行。 | KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭

※宿泊場所はこんなにいいところではありません。高くて手が出ませんよ…。

 

とりわけ印象に残ったところ。

 

石沢地区空き店舗

ミヒャエル・ボイトラー「ジョイ・センターの客」

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元ゲームセンターの空き店舗。

だだっぴろい建物に、デカい展示。はしゃぐ息子。

 

旧美和中学校

「CALAR.ink」

ハッカソンで作られた、体験型芸術。

文化祭の劇のような雰囲気がよかった。

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これは別のオブジェです。小便小僧か。

 

旧家和楽青少年の家

ワン・テユ「No.85」

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ふわふわと幻想的な空間。

雲海みたいな。

はしゃぐ息子。

 

ザドック・ベン=デイヴィッド「ブラックフィールド」

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体育館の一面に敷き詰められた、黒い植物。

裏側に回ると…、

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こうなる…!

思わず息を呑みました。

 

常陸大子駅前商店街

「干渉する浮遊体」

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シャボン玉。

今回の一番人気ではないだろうか。

 

この辺が素晴らしかったです。

ちなみに、普通に「袋田の滝」へも行きました。

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トンネル内に展示されている、ジョン・へリョン「連鎖的可能性―袋田の滝と、観光地のミスマッチ感がよかった。

 

以上です。

 

越後妻有アートトリエンナーレに行った時も感じましたが、自然の中にアートが溶け込んでいるのって、自分たちで「旅」をしてアートを「発見」している感じになるので、とても楽しいなと。

地方×アートって、最近、いたる所で目にしますが、こういう感覚が大事なのかもしれないです。

 

県北芸術祭、これからも頑張って開催し続けて欲しいです。

また行きたいと思います。

今度は海かなー。

 

おしまい。

 

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭 公式ガイドブック

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭 公式ガイドブック

 

 

Fumiya Tanaka, Bracken, Swans - Linus 定期便 2016年7月

 

はじめに

2016年7月の Linus 定期便報告です。

今月もだいぶ遅れてしまった。

先月は3枚です、でした。

 

Swans は自分で買いました。

一昨年、当時出た作品を紹介してもらって、とても気に入ったので、今回は自分から購入したもの。

akiu.hatenablog.jp

 

このサービス、以前紹介してくれて気に入ったアーティストの新譜が出ると、つい追加で買ってしまうので、買う対象が芋づる式に増えていきますね…。

サブスクリプションサービスやら、ダウンロード購入やらで音楽環境が激変している昨今、こうしてフィジカル (CD) を買い続ける自分の消費活動はどうなんだろうなーと思いつつ、この文化で育った性質をそう簡単に変えることもできず、だんだんと埋まっていく音楽棚を眺める、今日この頃です。

いったん、大量に手放したのですが、また埋まってきましたね…。

閑話休題

 

Fumiya Tanaka - You Find The Key (2016)

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日本のミニマル番長、田中フミヤによる、アルバムとしては8年振りの作品。

硬派なトライバル・ミニマル。

トライバルなビートや、ボイスサンプリングが印象に残る、ミニマルテクノです。

いっぽうで、全体的な音の作りが、トライバルからイメージする感じとはいささか異なっていて、かなりソリッドで硬派な音色という印象を受けます。

賑やかにごちゃごちゃとサウンドを並び立てず、選びぬかれた音だけでアルバム全体が構成されており、精緻かつ洗練されている。

しかも、ひとつひとつの音が際立つと同時に、ひとつの楽曲として絡み合っているような、一体感も感じさせます(特に、声を多く取り込んでいる効果がデカいかなと思います)。

なんというか、とにかく凄みがありました。

この作品を出している Perlon レーベル、同じデザインで、Ricardo Villalobos やら Luciano やら、ミニマル系のアーティストによる作品が多数出ているので、思わず揃えたくなっちゃいますね…。

LINUS RECORDS/Fumiya Tanaka : You Find The Key [CD]

 

Bracken - High Passes (2016)

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Hood の Chris Adams さんによるソロプロジェクトの4枚目。

寂寥感ただようエレクトロニック・ミュージック。

Hood で見せていたような、切なげなボーカルがまずは印象的です。

いっぽうで、少しザラついたビートや、粗めできれいすぎないシンセ、多用されるサンプリングなど、音作りや楽曲の構成が、一筋縄ではいかない複雑さを醸しだしています。

荒さと緻密さがうまく同居していて、何回聴いても掴みどころがなく、同時に、新しい発見があります。 

チルアウトでエレクトロニカでポストロックでブレイクビーツでヒップホップ、でも、Hood / Bracken でしかない、という音楽。

「こういう音楽だ」ってはっきり言えないですが、だからこその楽しさ、面白さ、素晴らしさって感じの音楽でした。

思わず唸ってしまう。

LINUS RECORDS/Bracken : High Passes [CD]

 

ちなみに前作 "Exist Resist" は、Linus 店主が2014年ベストアルバムの2位に挙げていて気になったものの、CD でリリースされていないので(カセットテープと LP、あとは DL 音源で流通)、Google Play Music で聴きました。

こちらはもっと荒削りで、かなりぶっ飛んでる感じです。 

Bracken: Exist Resist - Google Play の音楽

 

Swans - The Glowing Man (2016)

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Michael Gira さん率いるバンドのたぶん14枚目、2010年の復活以降では4枚目。

雰囲気も音楽性もごった煮で混沌としたロックミュージック。

ジャンクっぽくダラダラと弛緩した展開と、激しくウゴゴゴと鳴り響く重い展開とが、一体となって繰返し繰返し押し寄せてきて、なんだかわからなくなります。

ジャンル的にもぐちゃっとしていて、ドゥームでもノイズでもインダストリアルでもハードコアでもないし(たまにフォーキーだし)、ノーウェーブとも違うし…という感じですが、このごった煮感こそが、クセになる魅力を持っているのです。

加えて、全編をただようこの緊張感はなんだろう…。

ひとつ前の "To Be Kind" と、この作品しか聴いたことありませんが、過去作もこんな、ただならぬ雰囲気をまとっているのでしょうか。

それとも、年季の成せる業なんでしょうか…。 

素晴らしいです。

LINUS RECORDS/Swans : The Glowing Man [2xCD]

 

おしまい。

 

www.linusrecords.jp