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読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

The Field, Ales Tsurko, Shaded Explorer - Linus 定期便 2016年4月

 

はじめに

2016年4月の Linus 定期便報告です。

 

4月も3枚でした。

The Field は自分買い、残り2枚が推薦盤です。

2枚のみにしようと思っていたのに、The Field が決済する直前に入荷していることに気づいてしまい、思わず一緒に買ってしまった。

後悔はしていない。

 

尚、Linus Records は今、15周年記念でセール中です。

明日までですが…。

旧譜は、定額制ストリーミングサービスで聴けるものも多いですが、フィジカルで持っておきたいモノは捕獲しておこうと思います。

 

The Field - The Follower (2016)

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スウェーデンの Axel Willner さんによる5枚目。

淡く幻想的なミニマル・テクノ

前作 "Cupid's Head" が2年半前(→感想)。

コンスタントに作品を発表し続け、マイナーバージョンアップを繰り返しながら安定した内容を届け続けています。

今回も全体の方向性はまったく変わらず。

きれいめの音をぐるぐるとループさせながら陶酔感を引き出すという音作り。

リズムを強めに刻む曲の方がインパクトは強いのですが、スロウなトラックの方がスルメ的な味わい深さがあります。

というところも一緒だな…。

今作も安定の出来です。

LINUS RECORDS/Field : The Follower [CD]

 

Ales Tsurko - Transliaciya (2016)

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ベラルーシの Ales Tsurko さんによる1枚目。

変幻自在のポスト・クラシカル。

基本的には、美しいストリングスが情感たっぷりに奏でられております。

いっぽう、その裏側でなぜか、チキチキとしたノイズや、やわらかいビートが鳴っています。

前者はある意味、勢いにまかせて派手に打ち出されていて、後者はある意味、緻密な計算の下で構築されているような印象。

ポスト・クラシカルとエクスペリメンタルの面白い組み合わせです。

聴き手のレイヤー(受け取り方)によって、印象が変化する作品という気がします。

君はこの音楽を楽しんでもいいし、楽しまなくてもいい(世界樹の迷宮)。

LINUS RECORDS/Ales Tsurko : Transliaciya [CD]

 

Shaded Explorer - Empatia (2016)

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イタリアの Emanuele Pertoldi さんによる2枚目。

波間をたゆたうダブ・テクノ。

ビートはゆるく、ひたすらゆるく。

ゆらめきとまどろみととろとろと、浮遊感のある音が、ビートの上を泳ぐ。

リズムで身体を揺するというよりは、音の波に身体をゆだねるような。

おだやかな海に浮かんで、ゆらゆらとたゆたうような音楽です。

あと、最近気づいたのですが、私は水の音がチャプチャプいう音楽に弱いです。

クリックのチキチキと並んで、好きですね。

無条件でほめてしまう…。

とてもよかったです。

LINUS RECORDS/Shaded Explorer : Empatia [CD]

 

おしまい。

 

www.linusrecords.jp

 

 

 

 

honto の「あしあと抽選ポイント」を1ヶ月やってみた結果 - 読書記録 2016年4月

2016年4月の読書記録と、本に関する与太話です。

 

honto と「あしあとポイント」について

ネット書店 honto を利用しています。

honto.jp

もともとは前身であった bk1 を愛用していて、そのまま継続して利用している、という格好。

以前はポイントを大盤振る舞いしていたのですが(書籍なのに購入金額によって10%ものポイントが付いたりとか)、最近は電子書籍に重点を移しつつ、紙本のポイントサービスは控えめになってきています。

今回はその一環? と思われるような話。

 

honto には、「あしあとポイント」という、毎日サイトを訪れてあしあとをつけるとポイントがもらえるサービスがありました。

1日1ポイントですが、毎日欠かさずあしあとをつけると、皆勤賞で毎月100ポイントもらえるもの。

1ヶ月で130ポイントって、書籍の割にはけっこうオイシイので重宝していた。

 

「あしあと抽選ポイント」への変更

この「あしあとポイント」ですが、4月から、「あしあと抽選ポイント」というサービスに変更になりました。

なんか適当に本を選んだらアニメーションがあって、あたりハズレが出てくる、みたいなヤツ。

ポイントの内訳はこんな感じらしいです。

【今月の当選ポイント】

  • 1等100ポイント:100本(1日あたり)
  • 2等1ポイント:49,900本(1日あたり)

ということで、1ヶ月やってみました。

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結果、30日中、25日当選、すべて2等の当選で、都合、25ポイントゲット。

……。

ハズレはあまり無かったですが、いっぽうで、1等(100ポイント)も当たらなかった。

今まで確実に130ポイントゲット出来ていたので、個人的には改悪と感じています。

なお、

【お知らせ】

「あしあとポイント」に関しましては2016年5月頃(予定)にhontoビューアアプリ(iosandroid)において新たにスタートいたします

ということなので、そちらに期待することにいたします…。

 

それにしても、ますます、電子書籍シフトなんですねぇ。

ポイントサービスの劣化と、電子書籍ストアの大盤振る舞いを見るにつけ、しみじみとそう感じます。

まあ私も、マンガはほぼすべて電子書籍で買うようになりましたが…。

 

いっぽうで、個人的に残ってほしい書店については、意識してそこで買うようにしないといけないかもなーとも思うのでした。

 

柏のハックルベリーブックスとか。

akiu.hatenablog.jp

先日も行きました。

「ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 出版の未来」と、『茨木のり子集 言の葉 I』を買ったよ(絵本じゃないものも売っているのです)。

 

あとは、「本の雑誌」とよく組んでいろいろやっている、松戸の良文堂とか。

twitter.com

松戸駅前は、良文堂、くまざわ書店(アトレ内)、ジュンク堂伊勢丹内)と、書店がけっこう充実しているんですよ(と、松戸をアピールしてみる)。

 

読書記録 2016年4月

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:7559ページ
ナイス数:86ナイス

湯けむりスナイパー 第15巻 (マンサンコミックス)湯けむりスナイパー 第15巻 (マンサンコミックス)感想
最後の松三にびっくりな15巻。他は相変わらず君江とトモヨを中心にしつつ、淡々とまた夏が進んでいたので、最後はびっくりしたな本当に。
読了日:4月1日 著者:ひじかた憂峰

 

 


湯けむりスナイパー 第16巻 (マンサンコミックス)湯けむりスナイパー 第16巻 (マンサンコミックス)感想
第1部完。松三はさらりと終わり、やはり君江メイン。後半は完璧に、君江の物語でしたね。トモヨの「ああ 泣いてしまいそう…」という想いとともに思わず泣いてしまいました。そして、起きるべくして起きた別れとともに、日常へと戻っていく。それにしても、源さんの夢に一応の結論が出てしまったことにビビりました。Part2も読みますよ。
読了日:4月1日 著者:ひじかた憂峰


いなかの専業主腐ちゃん (バンブーエッセイセレクション)いなかの専業主腐ちゃん (バンブーエッセイセレクション)感想
いなかに嫁いだ腐女子のエッセイマンガ。なんか同じような人に覚えが…おや、誰か来たようだ。とても面白かったですが、子どもが生まれたら気をつけてね…。
読了日:4月2日 著者:チョコドーナツ

 


湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 1 (マンサンコミックス)湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 1 (マンサンコミックス)感想
PART2開始。これまでと同様に淡々と読んでいきましたが、マボロシの滝で驚きの展開が! 大きく展開していくのかなーという期待半分と、このままずっと同じ状態が続けばいいのにという不安半分で、複雑な気持ち。
読了日:4月4日 著者:ひじかた憂峰


湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 2 (マンサンコミックス)湯けむりスナイパーPART2花鳥風月編 2 (マンサンコミックス)感想
PART2終了。第二部は、君江/トモヨの長編だったのか、ということで一応の決着を見たのでした。短い描写で細かい感情を表現し、深い余韻を残す。素晴らしかった。
読了日:4月4日 著者:ひじかた憂峰

 


湯けむりスナイパーPart3 (1) (マンサンコミックス)湯けむりスナイパーPart3 (1) (マンサンコミックス)感想
PART3開始。仕切り直しって感じでまた日常が戻ってきたような。ただ、これまでとはちょっとずつ変わっているところがあって、そのちょっとの差がかえって気になるような感じです。源さんが少し軽い感じになっているところとか。これまでは雰囲気だけで凄みを出していたのに、実際のブツを振り回すなんて…。椿屋と周囲の人々に(良くも悪くも)慣れてきたってことなのかなー、と思ったり。
読了日:4月4日 著者:ひじかた憂峰


GIANT KILLING(3) (モーニング KC)GIANT KILLING(3) (モーニング KC)感想
サッカーマンガとしてとても楽しんでいるのですが(村越!)、カンファレンスでのスピーチ(ユーモアを交えて緊張を和らげつつ、言いたいことをズバッと届ける)とか、仕事を任せつつメンバーを観察して課題をあぶり出すとか、そういうビジネス的なところにどうしても意識がいってしまいます。そこも含めてとても良く出来ていると思う。続きも読みますよ。
読了日:4月5日 著者:ツジトモ


科学の栞 世界とつながる本棚 (朝日新書)科学の栞 世界とつながる本棚 (朝日新書)感想
書評集。瀬名さんの文章は、冷静と情熱のあいだの振り幅が絶妙な気がします。論理的な筆致で作品の評価をしつつ、情感たっぷりな感想を加える。そうやって紹介された作品を、誰が簡単にスルーすることができるでしょうか。とりわけ、「朝日中学生ウイークリー」に掲載された書評は、新しいことを知る喜びにあふれています。というわけで、また読みたい本がたくさん増えました…。
読了日:4月5日 著者:瀬名秀明


湯けむりスナイパーPART3 (2) (マンサンコミックス)湯けむりスナイパーPART3 (2) (マンサンコミックス)感想
初期のような単発のエピソードが並ぶ2巻。もともとはこんな感じだったよなーと、いささか懐かしい気分になりつつ読む。個々の話を面白く味わいながらも、どこか物足りなさが残ってしまうのは、これまで展開してきた長編エピソードの濃厚さゆえか。
読了日:4月6日 著者:ひじかた憂峰


湯けむりスナイパーPART3 (3) (マンサンコミックス)湯けむりスナイパーPART3 (3) (マンサンコミックス)感想
完結。冒頭から(直接は語られないのですが)震災の影響で、椿屋とその周辺の人々も含めて、大きく変わらざるを得ない状況になります。逆境においてもしっかりと前を向いてやるべきことをやる、トモヨは強し。この作品の主人公は、トモヨだったのかもしれませんねぇ。女将さんの変わりようを見て、一気に時間が進んだ気がしましたが、連載期間どおりなのか(約15年)。時の流れは生き急ぐ若者にとっては早く、場所も生活も落ち着いた人間にとってはゆっくり、相対的なのである。素晴らしい終わり方でした。名作!
読了日:4月6日 著者:ひじかた憂峰


新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine Books)新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine Books)感想
立ち退き問題で知ったベルク本。個人経営の店のノウハウというか、これまでやってきた「こだわり」がたくさん語られていて面白かった。個性的であろうとしてはいけない(自然とにじみ出てくるのが個性)とか、横綱相撲のつもりで接客するとか、名言がいっぱいです。こだわりが強すぎて多少の偏向も感じるのですが、それくらいでないと魔界都市新宿で生き残れないのかもしれませぬ。良かったです。
読了日:4月7日 著者:井野朋也(ベルク店長)


ロボ道楽の逆襲 (CUE COMICS)ロボ道楽の逆襲 (CUE COMICS)感想
短篇集詰め合わせ。表題作は複数の短篇をDJミックスさせたものでけっこう完成度が高く面白かった。他は筒井康隆小松左京作品の漫画化が良かったです。真っ向勝負してますねぇ。
読了日:4月8日 著者:とり・みき

 


ハード&ルーズ 1巻ハード&ルーズ 1巻感想
狩撫麻礼原作。ハーフボイルドっぽい主人公が社会の裏側で一風変わった事件に巻き込まれていく、一話完結型の探偵モノ。いかにも狩撫麻礼節って感じの内容で、スピード感のある展開とじんわり心に残る終わり方にハマる。文句ナシに面白いです。かわぐちかいじなのに変に説教くさくなくていきいきとしている…! 続きも読みます。
読了日:4月8日 著者:かわぐちかいじ,狩撫麻礼


釣れんボーイ (ビームコミックス)釣れんボーイ (ビームコミックス)感想
釣りクズの日常マンガ。日常がダウナーというかクズいというか、面白すぎます。釣り(と女)に燃えつつ、ヒモっぽい日々を送る。(オビで推薦文よせてるから比較しちゃうけど)玉吉さんとかと違って、主人公のヒマシロ先生をわりと客観視できてるので、安定して楽しめます。夜中にダラダラと800ページを読みきってしまった。
読了日:4月10日 著者:いましろたかし


日経SYSTEMS 2016年4月号日経SYSTEMS 2016年4月号感想
Slack が採り上げられている…! ということで、我が社においても導入が進みそうな予感(Redmine の導入タイミングを見るにつけ…)。
読了日:4月11日 著者:

 

 


SF名物―鶴田謙二初期作品集 (KCデラックス)SF名物―鶴田謙二初期作品集 (KCデラックス)感想
同人時代含む初期作品集。昔のオタクっぽい絵柄でレトロな気分になりつつ読む。作品解説にあるとおり、「よくわからないけど面白い」というのがしっくり来るような感じ。絵柄を含めて、雰囲気を楽しむ系のマンガなのかなーと思いました。結構、裏にある設定が興味深いので普通に詳しく知りたい気もします(いろいろとひどすぎる、「名犬吉村」を除く)。
読了日:4月11日 著者:鶴田謙二


野望の王国 完全版 1野望の王国 完全版 1感想
東大卒の超エリートが日本制覇の野望を胸に暴力の世界で暴れまわる話。なんというかもう、「すさまじい」としか言いようのない作品だと思います…。暴力、暴力、また暴力。休む暇もなく訪れる暴力の連発にお腹いっぱい。読み通すのにとてもエネルギーが要ります…。普通に虐殺な場面も出てくるし、美味しんぼの原作者と同じ人の作品とは思えない。鼻血とかのレベルじゃねーぞ。いろいろ突き抜けていて、素晴らしいです。もちろん続きも読むけど、少し時間をおいてからにしよう…。
読了日:4月11日 著者:雁屋哲,由起賢ニ


幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏 (文春新書)幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏 (文春新書)感想
1945年夏、在外邦人とペル・ヤコブソンらによる終戦工作に関するノンフィクション。時系列に沿ってドキュメンタリータッチで話が進んでいきますが、タイトル通りに結末は決まっているので、読んでいて大変面白いと同時に、もどかしさというか、残念な気持ちでいっぱいになります。こういう立場にいるからこそ見えてくることではありますが、ソ連に固執する日本側の行動は…。大局を見ることの重要性を痛感するのでした。
読了日:4月14日 著者:竹内修司


WIRED VOL.22(GQ JAPAN.2016年5月号増刊)/特集 BODY & HEALTH 病気にならないカラダWIRED VOL.22(GQ JAPAN.2016年5月号増刊)/特集 BODY & HEALTH 病気にならないカラダ感想
ヘルスケアとテクノロジー。腸内フローラとか、現時点ではわからないことばかりで言葉ばかりが先行し、正直眉唾ではありますが(本誌で採り上げられているモノも含めて、そう感じますが)、これからの発展が期待される分野だよなーとも思います。お通じは大事ですよ、ホント。他、イスラエルのお国柄というか、国民性が興味深かった。0から1を次々と生み出す。
読了日:4月17日 著者:


月刊コミックビーム 2016年 1月号[雑誌]月刊コミックビーム 2016年 1月号[雑誌]
読了日:4月18日 著者:

 

 

 


ハード&ルーズ 2巻ハード&ルーズ 2巻感想
2巻。一話完結型で、まさに一夜限りの話が多いですね(オトコの幻想)。かわぐちかいじの描く女性は骨ばっていてエロいって知ってた。1巻と同じように読んでいたら、後半、まさかのチーム結成。一匹狼な探偵モノで通すかと思っていたのでびっくりしました。皆、ヘンに癖のある連中なので、今後の展開に期待です。
読了日:4月18日 著者:かわぐちかいじ,狩撫麻礼


本の雑誌395号本の雑誌395号感想
週刊誌特集! スキャンダルにはあまり興味はありませんが、社会の暗部を暴く、いわゆるノンフィクション的なジャーナリズムは大事だと思うし、ある意味、必要悪としての存在という気もします。私は書評だけ読めればいいです(各誌の書評だけまとめて販売とかしてくれませんかねぇ)。創刊編集者対談も含めて、とにかく頑張ってきたのはわかった。あと、三島由紀夫の10冊は読んでみようかなと思います。『仮面の告白』しか読んだことがない私である。
読了日:4月20日 著者:


ハード&ルーズ 3巻ハード&ルーズ 3巻感想
チームになってもすべてをさらけだすわけではないところがハードボイルド、じゃなくてハードでルーズな土岐さんであります。ただの照れ屋さんでは…? 他メンバーとどっぷり交わらない(交われない)ところが、逆に人間味がある。普通に仕事に徹しきれない話が多いところもいいですね。次巻で終わってしまうのがもったいなく感じられる、ミニマルな面白さであります。あと、なんか微妙に恋模様ですが、最後はオトシマエをつけるのか…?(つけなさそー)
読了日:4月20日 著者:かわぐちかいじ,狩撫麻礼


学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)感想
子どもが言語を獲得していく過程を中心に、「学ぶこと」について考察する本。事実を覚えこむだけでなく、一方で、「知識偏重否定主義」にも異を唱えるという、非常にバランス感覚に優れた内容で、そこかしこで共感・納得しながら読みました。特に、「直観」に関するロジカルな整理がとても腑に落ちた。新しいことを自分の「スキーマ」に当てはめて理解することと、そのスキーマをあえて崩していくことの重要さ。自分の根底に刻み込んでおきたい姿勢であります。本書については、今後も度々、振り返ることになるだろうなという気がいたします。
読了日:4月21日 著者:今井むつみ


おんなのことば (童話屋の詩文庫)おんなのことば (童話屋の詩文庫)感想
詩集。世界の美しさを優しく愛でつつ、自身の内面を厳しく叱咤激励する、という感じの詩が多く、背筋がすっと伸びる思いでした。ビレバンの POP にあるとおり、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という詩は刺激的ですが、それ以上に、自分の周りに対する優しい目線が印象に残ります。「どうして言葉たり得よう 他のものを じっと 受けとめる力がなければ」とか。
読了日:4月21日 著者:茨木のり子


ハード&ルーズ 4巻ハード&ルーズ 4巻感想
完結。信頼できる部下と安定した仕事に恵まれた環境を放り投げてしまう、土岐さんのルーズっぷりが、そこはかとなく人間くさくてよかったです。元に戻っちゃったところで(ホントは戻っているわけではなく、歳月は流れるのですが)、ぶつ切りのように終わる。お話自体は一話完結型だしいいのですが、彼をめぐる周囲の人間関係はもう少しみっちり描いて欲しかったなーという気もします(『湯けむりスナイパー』のように)。ともかく、面白かった。やっぱり狩撫麻礼はいいですね!
読了日:4月21日 著者:かわぐちかいじ,狩撫麻礼


仕事文脈 vol.7仕事文脈 vol.7感想
いろんな仕事について考えるミニコミ誌。特集は、「家と仕事」。自宅で仕事とか、家事という仕事とか、家そのものとか。いろいろな視点で家と仕事を捉えている内容で面白かった。家と仕事は、分けて考えたい人もいるし、一緒に考えたい人もいます。私はできればまとめて考えたい派(早く自宅で仕事ができるスキームを作りたい!)。前号の方向性にちょっと違和感があったのですが、今号は多様な視点やぼんくらっぽさが、だいぶ戻ってきたのかもと思います。
読了日:4月22日 著者:


母の友 2016年4月号母の友 2016年4月号感想
新年度で表紙の紙質が変わった気がする。特集は、「こどものとも」。我が家でも愛読しております。特集の中身は、過去の歴史をさらう内容で、思い出話が多かったなという印象。データ面(全リストとか)の充実か、批評的な視点か、何かもうひとつ深掘りして欲しかったような。福音館書店の歴史と絡めた、「創刊の頃のこと」は面白かったです。
読了日:4月22日 著者:呉美保,小風さち,北村人,きくちちき,小西英子,西平あかね,にしむらあつこ,齋藤槙,岡本雄司,大槻あかね,植垣歩子,福知伸夫,中村至男,まるやまあやこ,田中清代,八百板洋子,柴田愛子,中村柾子,菅澤順子,東直子,内澤旬子,猪熊弘子,大野更紗,山田真,浅生ハルミン,金原由佳,手島渚


マネーフットボール 2 (芳文社コミックス)マネーフットボール 2 (芳文社コミックス)感想
ロングスローでのし上がる主人公ってすごいな。いわゆるスターではない、リアルな選手たちのシビアな話(契約とか営業とか)が出てきて、大変面白いです。試合の(裏側の)攻防とかも興味深い。このリアルさ、きめ細やかな取材と分析の賜物ではないかと。絵柄が地味なので、大きなブレイクはないかもしれませんが、いい作品に出会えたなーと思います。引き続き読んで参ります。
読了日:4月26日 著者:能田達規


魔法の世紀魔法の世紀感想
20世紀は「映像の世紀」、21世紀は「魔法の世紀」。コンピュータの発達が人間を変化させていくっていう風に受け止めました。現状のデバイスに関する不満とか、今後の進化の方向性くらいまでは理解できるのですが、それ以降の(デバイスの進化とは異なるアプローチからの)超感覚というか、自然とテクノロジーの一体化みたいなテーマは、ちょっと付いていくのが大変だった。攻殻機動隊の世界の先を見ているような感じ、くらいにしか理解できん…。なんか面白そうだなーという、ワクワク感は抱くのですが。こんな感想ですみませんって感じ。
読了日:4月26日 著者:落合陽一


三国志連作集 異郷の草三国志連作集 異郷の草感想
三国志武将列伝。黄忠鍾会甘寧孟獲、簡雍という渋めのチョイス。各編ごとに読後感が異なっていて、よく練られていると思いました。特に孟獲は思い切って切り口を変えつつ、それでいてしっくりくる感じ。面白かったです。孟獲というか祝融が(略)。全体的に、台詞ではなく、静かに表情で語らせるような作風なのもよかった。この感じで、あの人やこの人の話も読んでみたいなーと思います。
読了日:4月28日 著者:志水アキ

読書メーター

 

アマデウス シナリオ配布 「そこに雪はいるか」

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はじめに

先日、マスターを務めた、「神話創世RPG アマデウスのシナリオを配布します。

 

なんか神話とか昔話を適当に組み合わせてでっち上げた感じのシナリオです。

アマデウスはこんな風に、適当かつでっち上げで、シナリオを作れるのが楽しい。

タイトルは JR 東日本のキャッチコピーのもじりですが、白雪姫が出てくるから連想しただけで特に意味はありません。

 

そこに雪はいるか

基本情報

システム:神話創世RPG アマデウス

舞台:現代日本

プレイヤー人数:3人

キャラクターレベル:2

サイクル数:2

採用ルール:アマデウス01・02(基本的になんでもアリ)

 

概要

現代世界にやってきた、白雪姫と八人の小人。

ヤマタノオロチは彼女をクシナダヒメの再来と認め、生け贄にせんと欲した。

生け贄の儀式を行うためには、八人の小人の命が必要である。

記憶を亡くして現代世界に暮らす小人に、オロチの手が迫る。

神子たちは、白雪姫と小人たちを無事に救いだし、オロチを倒すことができるのか。

 

予言

PC1

【暗示】

あなたはひとりの少年と知り合いになった。

その少年は、神話災害に深く関わっているらしい。たいへんだ。

あなたの【任務】は、少年を護ることである。

【真実】

あなたは少年が蛇の生け贄にされる様子を幻視した。

これは予言である。

第1サイクル終了までにこの【真実】を公開しなかった場合、少年は蛇の生け贄になる。

【トリガー】

PCの誰かが少年に【想い】を1点以上持つ。

 

PC2

【暗示】

あなたは親神から、白雪姫を探すように依頼された。

白雪姫は童話の世界からやってきたお姫様であり、現代世界でお忍びの暮らしを楽しんでいたらしい。

白雪姫、なにしてんの。

あなたの【任務】は、白雪姫を無事に連れて帰ることである。

【真実】

あなたの親神は以下のように続けた。

彼女は八人の小人を従えていたはずだが、その小人の行方もわかっていない。

八人? そう、「八人の小人」である。

小人に話を聞くことができれば、彼女の行方も分かるかもしれない。

この【真実】を公開すると、次のシーンに、マスターシーン「そこに雪はいるか」が発生する。

【トリガー】

小人の【真実】が公開される。

 

PC3

【暗示】

あなたは蛇の化物に飲み込まれる未来を幻視した。

そんなのはイヤだ。

あなたの【任務】は、蛇の化物を倒すことである。

【真実】

幻視には続きがあった。

蛇に飲み込まれたあなたは、蛇の体内で一振りの剣を見つける。

これを使えば、蛇を倒せるかもしれない。

結局、飲み込まれるみたいだけど…。

この【真実】を公開すると、アイテム「クサナギ」を得る。

クサナギの効果:神性武器の威力が1D6点上昇する。

【トリガー】

第2サイクル以降に公開できる。

 

少年

【暗示】

あなたはごく普通の少年である。

最近、奇妙な出来事に遭うようになった。

長いものに巻かれる夢を見たり、背後に誰かの視線を感じたり…。

不安なので、最近、親切にしてくれる人に護ってもらおう!

【真実】

あなたは本当は白雪姫に付き従う小人のひとりである。

名前はガス。

あなたは現代世界にやってきた後で、白雪姫御一行様とはぐれてしまった。

白雪姫レーダーによると、彼女たちは今、蛇の腹の中にいるらしい。

…あれ?

【トリガー】

第2サイクル以降に公開できる。

 

オロチ

【暗示】

一つの胴体に、八本の首を持つ大蛇。

※第2サイクル開始時に提示する

【真実】

聞こえますか…神子よ…あなたの親神です…今…あなたの脳内に…直接…呼びかけています…酒です…オロチには酒が効くのです…うわばみだから…酒を飲ませて…動きがにぶったところを…やっちまいな…。

この【真実】を公開すると、妨害判定にプラス1の効果を得る。

【トリガー】

いつでも公開できる。

 

シナリオの背景について

シナリオの背景や元ネタなど。

アマデウスのシナリオを作るのは初めてでした。

アマデウスだったらやっぱり、神話モチーフなシナリオを作りたいと思い、日本神話で一番最初に思い浮かべた、ヤマタノオロチを出そう! という連想から始まりました。

ヤマタノオロチは八本の頭を持っているので、同じように「八」で連想するモノを考えていたところ、白雪姫の映画、スノーホワイトで、小人の人数が8人だったことを知る。

cinema.pia.co.jp

この連想を元に、適当につなぎあわせてシナリオを作りました。

尚、映画は観ておりません…。

細かいところはホントに適当です。

それでもなんとかなるのが、アマデウスのいいところ!

 

導入フェイズ

各 PC ごとに、【暗示】に基づいた導入を行う。

PC1は、少年と知り合いになるシーンを演出する(名前も決めましょう)。

他 PC は【暗示】のとおり、適当に。

最後に、万神殿(パンテオン)に PC たちを集め、巨大な蛇が引き起こす大洪水により、日本が水没する様子を幻視させる。

なんとかしてね! と PC たちを送り出す。

導入フェイズ終了後、「少年」ハンドアウトを提示する。

 

マスターシーン「オロチ覚醒」

第1サイクル終了後、マスターシーン「オロチ覚醒」が発生。

PC たちと少年は、まとめてオロチに飲み込まれる。

PC1の【真実】が公開されていない場合、少年はオロチの生け贄となってしまう(PC1の【任務】は達成不可となる)。

少年のハンドアウトをゲームから取り除くこと(公開が不可能となる)。

また、「オロチ」ハンドアウトを提示する。

 

第2サイクルについて

第2サイクルは、オロチの身体の中で進行する。

シーンは、以下のシーン表を振って決定すること。

 

「オロチの身体の中」シーン表

  1. オロチの胃液がかかると溶けるので、うまく弾き飛ばそう! シーンプレイヤーのPCは、【武勇】判定を行う。失敗すると「重傷1」の変調を受ける。
  2. オロチが吐き出すための火が体内で燃えている。逃げろ…! シーンプレイヤーのPCは、【技術】判定を行う。失敗すると1D6+2ダメージ。
  3. オロチの腹の中で樽に入ったうまそうな酒を見つけた。酒は飲んでも飲まれるな…。シーンプレイヤーのPCは、【頭脳】判定を行う。失敗すると「堕落」の変調を受ける。
  4. オロチの体内はにおいがひどい。耐えろ、耐えるんだ…! シーンプレイヤーのPCは、【霊力】判定を行う。失敗すると「臆病1」の変調を受ける。
  5. オロチが飲み込んだらしい老人が魚を釣っている(注:ゼペットじいさん!)。ひとつ分けてくれるかもしれない。シーンプレイヤーのPCは、【愛】判定を行う。成功すると「食料」を1D6個ゲットする。失敗すると「憤怒」の変調を受ける。
  6. オロチが飲み込んだらしい船が浮かんでいる。漁ってみよう! シーンプレイヤーのPCは、【日常】判定を行う。成功すると「ランダムアイテム表」(216ページ)を一回振り、出た目のアイテムをゲットする。失敗すると「恥辱」の変調を受ける。

 

マスターシーン「そこに雪はいるか」

PC2の【真実】が公開された場合(少年の【真実】の公開がトリガーとなる)、マスターシーン「そこに雪はいるか」が発生する。

少年が持つ、「白雪姫レーダー」(ドラゴンレーダー的なヤツ)にしたがって、オロチの体内を進む。

これは、「危険な旅」となる。

「危険な旅」判定に失敗した場合、以下の試練表を振ること。

 

「オロチの身体の中」試練表

  1. いつまでたっても目的地にたどり着かないぞ…。2点ダメージを受けた後、もう一度試練表を振る。
  2. うわー、もうだめだー。「絶望」の変調を受ける。
  3. うわー、もうだめだーその2。生命力を1D6点失い、黒の領域にインガを1個置く。
  4. 価値観が180度変わるような壮絶な体験…! あなたが抱かれている【想い】の属性が反転する。
  5. ここを通りたければ、身ぐるみはいでおいてゆけ(誰)。神貨を3枚ささげる(他PCからかき集めてもよい)。できないとファンブル表を振る。
  6. 運命が変わってしまった! 運命の輪が回る。

 

レーダーが示す場所にたどり着くと、オロチの身体から発せられたらしい、粘膜のようなものに包まれた白雪姫がいる。

その周囲には八本の支柱が建っており、それぞれの柱に七人の小人が取り込まれている。

白雪姫は、苦しそうにPC達に話しかける。

ピクニックの途中、りんごを食べようとしたら一つのりんごがすべり落ちてしまい、ころころ転がって、樹の根元にあるウサギ穴に落ちてしまったのです。

穴をのぞきこんだ途端、何かに引っ張られるように穴に落ちてしまい、気がついたらこんなところに…。

ウサギ穴だと思っていたものは、なんとオロチの口だったのです…。

私を使って小人たちをおびきよせ、ひとり、また一人と、オロチに取り込まれていきました。

ただし、ガスは現代世界では小人の記憶を失っていたため、今まで取り込まれずにすんでいたようですね…(注:一般的には「白雪姫と七人の小人」として知られているので、八人目は人々の記憶から消えていたと思われる)。

オロチは、私を櫛に変えるための儀式を行っています。

私を、クシナダヒメの代わりとしたいのでしょう…。

スサノオに退治されたがために、ついに生け贄を得ることができなかった、八本目の首のために…。

お願いです、オロチを倒し(私を助け)てください…。

PC たちがオロチを倒すことを決意したところで、シーンを終了する。

 

決戦フェイズ

第2サイクル終了後、決戦フェイズへと突入する。

儀式が執り行われ、祭壇から、白雪姫の黒い分身が生まれる(黒雪姫?)。

その身体はまだ不安定であり、今倒せばなんとかなるかもしれない。

ただし、少年がオロチの生け贄になってしまっている場合、儀式は完遂されてしまい、白雪姫は世界から姿を消す(PC2の【任務】は達成不可となる)。

黒雪姫のデータは以下のとおり。

 

黒雪姫

アマデウス02」239頁、「白雪姫」のデータをベースに、以下を変更。

  • 【妖精】を【爆発】(「アマデウス02」221頁)に変更
  • 【逃走】を削除
  • 儀式が完遂された場合、生命点を5点増加 

 

エンディング

各人適当に。

 

おわりに

プレイレポートなど。

メインフェイズは順調に進みましたが、決戦フェイズの偵察判定で大事故が発生し、PC がひとり、死亡寸前まで行ってしまいました。

生死判定を振り直し、かろうじて生き残ることに成功。

アマデウスは本当に、事故が怖いです…。

戦闘バランスもキツくて、ここまで順調にいったのになー、という感じでなんだか申し訳ない気分に。

PC3人は、ダイス目に左右されすぎるので、キツいのかもしれませんねぇ(リプレイ等でも4人がデフォですし)。

またやりたいと思います(プレイヤーはピーキーなバランスが精神的にキツいので、むしろマスターをやりたい…)。

 

おしまい。

 

神話創世RPG アマデウス

神話創世RPG アマデウス