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読書、音楽、ゲームなど、エンターテインメント系の趣味について書きます。

【Music】 These New Puritans / Hidden (2010)

 

UK のバンド、ジーズ・ニュー・ピューリタンズによる2010年リリースの 2nd。

 

前作は、ポストパンクバンドの殻をかぶった変なバンドって印象でした。ギターの後ろに見え隠れする珍妙なビートが結構面白かった覚えがあります。しかし今作は、ギターが無くなってしまいました。全く消えてしまったのです。何だこの転身。そのせいか、楽曲の形も完全に崩壊。前衛音楽に近いアプローチになっているように思います。重々しいビート(和太鼓のようにずんどこ鳴ったりする)や、不気味な合唱が全体を覆い尽くし、妖しげな雰囲気。刃物をこすり合わせたような音まで出てきて、呪術的な空気すら醸し出しているなど、良い意味ではったりの効いた内容です。7分超えの2曲目「We Want War」は、緊張感もあって、かなり良い曲だと思う。私がかつて、勝手に Gang Gang Dance に期待していた音楽が、ここにありました。

 

などと言いつつ、評価が低くなっているのは、そういったピリピリとした緊張感が、だんだんと、急激に失速していってしまうからです。ビートは手を替え品を替えで、色々とバリエーションを繰り出してくるのですが、曲が進む度に、楽曲がどんどんダラダラと弛緩していくのを感じる。ビートにこだわり過ぎているのか、上モノがまったく響かなくなってきてしまうのです。たぶん、強烈なビートはそのままに、後半に前面に出てくる穏やかな木管系楽器との音の親和性が悪いのだと思う。あと、ここまでやるならボーカルなんて要らんのではないかと思いますが。変に弱々しい歌声が、全体を台無しにしている曲もあり…。別に、不気味な子供合唱団だけあれば良いのではないか。

 

というわけで、2曲目に大興奮。それ以降はガッカリな作品でした。次作は名作になる予定です(たぶん)。ちなみに先に予想しておくと、SNOOZER は2010年ベストに挙げてくると思うな。でも、ちょっとオカルトな雰囲気過剰で敬遠されるかな。どうかな。

 

Hidden

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